エリツィン逝去にあたり

ロシアの前大統領ボリス・エリツィン氏が逝去。
訃報に際してマスコミは彼を「ロシア民主化の立役者」
と持ち上げる報道が多いが、私は多少違う思いを
彼に抱いています。

基本的に、私はこう考えています。
ロシアの民主化は大きな時代の流れのなかの必然であり、
エリツィンはたまたまその時期に”そこにいた”だけだ。
彼は、斜陽の共産党を批判し大衆の支持を集め、
共産党の”悪あがき”ともいえる91年のクーデターも
計算ずくで「身体を張って止めた英雄」という絵を作り出し、
そして権力を握ると、国有財産をタダ同然で自分の親族や
近親者に払い下げをして「ロシアの新興財閥」をつくりあげ、
「格差社会」を民主化まもないロシアに出現させた。
そこで、大衆の不満が高まってくると、言う事を聞かない者を
力で抑え込もうとする強権政治に走り出す。
そして、泥沼のチェチェン紛争を引き起こしたのも彼だ。
さらに、当時の日本の橋本首相との間で”友情”を協調し、
北方領土の返還が実現するかにみせかけ、日本から
多くの経済援助や投資を引き出していった。
エリツィン自身の後日談に
「北方領土を返す気などさらさらなかった」というものがあり、
今日の私の「エリツィン評」を固める決定打にもなったのである。

なぜ、こんなロシアの前大統領に噛み付くのか!?
と疑問に思われる方のために少しご説明をしますと、
私は、大学時代ロシア語を第2外国語として選び、
ロシアの研究に没頭した時期がありました。
チェルノブイリ原発の事故がなければ大学推薦の学費免除で
モスクワ大学へも4ヶ月間の留学もしていたはずです。

なぜロシア語を選んだのかというと、
ちょっと長い説明となりますが、
もとはといえば共産主義が大嫌いだったからで、
当時のアメリカのレーガン大統領がソ連を「悪の帝国」と
決め付けたときには拍手喝采をしたものです。
だから最初から選択肢になかったロシア語なのですが、
そんな私をみていた父からこういわれました。
「おまえは、ほんとうにソビエト連邦という国を知っていると
言い切れるのか?共産主義についてどれだけ知っているんだ?」
絶句した私に父はこうたたみかけました。
「イメージだけで物事を判断するな!
本質も知らずに好き嫌いを簡単に口にする軽い大人にするために
大学に行かせたわけじゃない。そんな軽薄な勉強をしたいというなら
学費はださないから自分で稼げ。俺も共産主義は嫌いだが、
もっといろんな角度からキライなわけを話すぞ。イデオロギーとは
イメージだけで決めることができるような軽いものではなく
たくさんの人間が命がけで築き上げてきたものだ。しっかり勉強して
心して判断しろ。歴史や思想、言語には魂があるんだ。
それをきちっと覚えておけ!」

そう言われて、冷や水をぶっ掛けられた私は
当時のソビエトのことをほとんどなにもしらない自分に気付き、
第2外国語の選択にあたって、その他の言語との比較検討を
じっくりして、最終的に「いちばん知らない」ロシア語を選択した
という覚えがあります。
だからこそ、大学1年生の時は”人生で一番勉強した”かんじでした。
授業を真剣に聞いて、テープに授業を録音してきて復習しながら
ノートおこしをする、という繰り返しで各授業に臨み、
ソビエトに関してもロシア語に関してもこの時期にかなり勉強しました。
ロシア語は及第点でしたが(苦笑)、共産主義や社会主義国家のシステム
現状などは幸なことに日本ではロシア研究に関しては「上智か東海」か
といわれていたほどの豊富な資料と優秀な教授陣のお陰でかなり研究が
すすみました。

余談が長くなりましたが、
それゆえに私は最初に共産主義を壊し始めたゴルバチョフ氏は
評価したいと思っていますが、
その後の「時流にうまく乗った策略家」はあまり
評価できないと思っています。
日本にもゴロゴロいますね。この手の政治家が。
”当選さえすればいい”とか”マスコミ受けだけすればいい”とか
「やるべきこととちがう方向」を向いているひとが。

けっしてそうはなるまい、
と「エリツィンの政治」を振り返りつつ誓う今日一日でした。

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