キルケゴール回想

このところ、テレビにしろ雑誌にしろ
「地球温暖化」「絶滅危機動物」「食料危機」などと
世界の現状を憂う特集をよく見かけます。
これはとてもよいことなのですが、
その一方で、
ブランドがどうのこうの。美食、飽食。
また市場では、穀物も原油も実際の流通量の
数倍から数十倍の取引がされているという
”バーチャル”な世界が存在していることも
これまた事実です。

こうした現在のいわゆる”矛盾”について
考えていたら、キルケゴールを思い出しました。
『自分自身を忘れるという、
もっとも危険なことが、世間ではいとも簡単になされる』
という言葉とともに。

〔セーレン・キルケゴール〕
19世紀のデンマークの哲学者です。
実存主義哲学の先駆者といわれていますが、
私は学生時代彼に触れたときは衝撃でした。

哲学書はそれぞれざっと読んだくらいですが、
キルケゴールは鮮明に覚えています。
彼は若くして
『そのために生き、そしてそのために死ぬことができる、
それが真理である』
私は”真理”を発見しなければいけない!
と誓い、(いわゆる「実存宣言」です)
やがて、最愛の人と婚約しながらも、
”真理”のために婚約を自ら破棄し、
猛然と”真理”を求めて執筆を重ねた求道者であり、
学生時代の甘い恋愛を夢見る年頃の私(笑)には、
けっこう重くもありながら、
「自らの人生をかける真理の求道」という
キルケゴールの哲学には
共感を抱いた思いがあります。

結局、キルケゴールが明らかにしたことは
「ひとは、自分で選択をする責任をもたなければならない」
ということであったんだと、私は結論づけていますが、
今現在世界の「選択の自由が与えられている人々」のうち、
この「選択」と「責任」を一体化していないまま、
日々を安穏とすごしている人がなんと多いことか。
そんなことを感じざるをえません。

とくに日本はその傾向が強いのでしょう。
政治も経済も教育も。
「哲学を持つこと」の大切さを
あらためて痛感した、今日の”キルケゴール回想”です。

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