「漏れバケツ」理論とは
イギリスのシンクタンクNew Economics Foundationが打ち立てた理論。
地域を「バケツ」と考えて、そのバケツの中の水=おカネと見立て、水がどこからきて、どれだけバケツにあいた穴から地域外に漏れているかをわかりやすく示した理論モデル。
つまりは、バケツの中にいくら水をためとようとしても、バケツに穴があいていると地域経済は活性化しないということです。反対に、バケツの漏れをできるだけ減らせば、バケツの水は貯まり、地域経済が循環することになります。
また、バケツに入れる水も、国の補助金のような使途が決められているいわば「色付きの水」よりも、地域内での各種の経済消費活動や観光客による消費、起業による地域での雇用創出などの「純水」がよりよいと考えられます。
この「漏れバケツ」理論をつかって、地域の自立を考える土台を明確化したいと思います。。
「ローカル・インベストメント」とは
「漏れバケツ」理論で、地域外への余分な漏水を防ぐとともに、地域外に頼っていた
需要を、地域内でまかなうための作業です。
具体的には、地域に必要な企業や商店に投資し、または利活用を意識的に進めて、域内経済を活性化したり、新たに創り出します。近年、経済は「金融・証券投資」や「フィンテック」といわれる、「バーチャル(実態が見えない)経済」が大きなウエートを占めるようになってきましたが、基本に戻って、現場での商取引、「小さくとも実態のある経済」を取り戻すことから始めましょうという考え方です。
「地域の、地域による、地域のための経済」づくりです。
「リ・ローカリゼーション」とは
イギリスのトットネスという町が進めている「地域経済を取り戻す」取り組みを、
「リコノミー(Re+Localization造語)プロジェクト」と称しています。トットネスでは
実際に、食や住宅、福祉やエネルギーなど独自の施策を展開しています。
また、大きな特徴は、行政や組織だった動きだけではなく、個人レベルでも様々な挑戦が
なされています。「これが必要」と思った人が、必要なものを自分で作ったり、工夫をしたりすることで、「面白いことがおこるまち」になっています。
「日本の理想郷ふじのくに」をつくる。とは、「住みやすい街を、自らつくる。」そんな意識の醸成、学習環境づくりをしてゆくことであり、これからの、「地方主権時代」への扉を開くことになり、「地方の自立」を具現化してゆくことなのです。
参考文献 藤波匠「人口減が地方を強くする」
枝廣淳子「地元経済を創りなおす」