静岡茶のミライ

GW期間を使ってのもうひとつ行きたかったところが
お茶産地である静岡市清水区両河内のとあるcafe。
『GREEN ∞ CAFE』(グリーンエイトカフェ)。
静岡市清水区和田島349-4 電話054-395-2203

以前、雑誌記事で読んだ、若手茶農家の有志ではじめられた
直営カフェの取り組みを、ぜひみて、味わってみたいと思っていたのです。

びっくりしたのは、ナビが導いてくれた先はなんと茶工場!
静岡県内ではよく見かける農家単独ないしは有志組合や農協が経営する
茶生葉を加工するあの茶工場です。
その茶工場の事務所を手作りで古民家の廃材などを利用して改装して作られているcafe。
これってまさに地産地消の現場感覚たっぷりの最高のセンスではないですか!?

時はまさに「八十八夜」直後(今年は5月2日)のお茶摘みシーズン真っ盛り。
次々と茶葉を満載したトラックがカフェの真横に横付けして茶葉をおろしてゆく。
いやー、感嘆のひとことにつきます。

cafeの内部も、事務所機能の納品伝票など”本業”をするデスクがあり、
グラスやカップ、茶葉が並べてある上には、もともとあった神棚が!
これぞ最高の「茶カフェ」ではないでしょうか。

緑茶と和紅茶が味わえますが、細部へのこだわりはさすが生産者ならでは。
こじんまりした店内を切り盛りするお二人の女性も、
茶に対する造詣は深く、かんじの良いこのカフェの一部であるかのようでしたし、
お茶そのものの味もとても美味で、さらなるさりげないこだわりは
アイスティの氷は同じ茶葉のものを凍らせたものを使っていたりして、
お茶への愛情の深さも感じられるカフェでした。おススメです!
ぜひ一度行ってみる価値がまちがいなくあると思います!

さまざまな角度からみて、静岡茶の売り出しの先進事例がココにありました!
大いに静岡県として参考にさせていただかないといけませんね。

で、さらなる収穫は店長さん兼工場長さんでもある北条さんとお話をできたこと。
話の内容は、ご了解を得ていないので詳しくはご披歴できませんが、
今年度久しぶりに返り咲いた産業員委員会で、ひとつの大きなテーマにしようと考えて
さまざまな角度から予習をし始めて準備をすすめていたお茶の振興策について
いくつかのsuggestionをいただけたと感じています。
こころから御礼を申し上げるとともに、改めてご指導をいただきたいと思っております。

静岡県のお茶のミライを考えたときに、
やはり直視しなければならないのが、生産現場の実情です。
お茶の需要と将来見通しや茶葉価格の低迷などを鑑みると、
このところ、県が盛んにお茶振興策として前面に押し出そうとしているのは
「茶畑の景観を生かした観光(グリーンツーリズム)」と
「健康長寿のためのお茶の機能性等についての研究」でありますが、
私個人的には、浜松近隣の茶農家のみなさんや茶畑、茶工場の実態を見て
お話を聞く中で、県の言う理想論は簡単ではないと感じています。

「グリーンツーリズム」もいいですが、まずは肝心の茶農家が
やっていける経営基盤をどう整備し、後継者問題などについても、
具体的にどう取り組むかに答えをだしてゆかないといけないと感じています。
なにごともそうですが、土台がしっかりできてないのに上屋をキレイにしたって、
いずれダメになってしまうので、静岡県のお茶産業については私はいまこそ土台から、
時代にあった形に作り替えをする時期ではないのかと感じています。

お茶はペットボトルで飲まれる時代です。
工場で大量生産されるお茶。茶葉は大手メーカーに買い叩かれる。
相変わらずの茶市場の慣例ではあくまで初物が高く、
そうするとあくまで産地間競争では鹿児島など静岡より先にでてくるお茶が強い。
では、品質で勝負となったときに、その品質をまっとうに評価してくれる
国内の愛飲家人口の減少や需要の減少、供給先だった高級料亭などの減少なども
追い打ちをかけています。
「茶園の大規模化」も、よく新聞や報道ではまことしやかに謳われていますが、
これって日本の土地制度のなかではとても面倒で大変だということが、
実はあまり知られていません。
我が家は今は農家ではありませんが、農地もあり、親戚や近隣のみなさまには
農業でご苦労をされながら頑張っている皆様も多く、今日のお茶産業のおかれた状況に
皮膚感覚で危機感を感じています。
未来を創るべき政治家としては当然ながら、
美しい日本の、美しい静岡県の中山間地に育った人間としても、
なんとかしたいと思う今日この頃です。

微力ですが、今年は特に力を入れてお茶の問題には取り組んでゆく所存ですので、
ぜびみなさま、さまざまな角度からのご指導ご鞭撻をお願いいたします。

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