SPAC ふじのくに世界演劇祭2011

今日から「ふじのくに世界演劇祭」が開幕しました。
静岡県が出資して15年前に創設した
通称SPAC shizuoka performing arts center
(財)静岡県部隊芸術センターが主催する、
9カ国11演目が演じられる1ヶ月におよぶ演劇祭です。
会場は静岡市にある静岡芸術劇場と静岡芸術公園。
今日はその開幕を告げる祝祭音楽劇
『真夏の夜の夢』がSPACによって上演され、
その後文化庁長官や川勝知事らが参加のもと、
「オープン参加制」で、(特定した招待者関係者だけでなく
観劇者はじめどなたでも参加できるレセプションにしたということ)
オープニングレセプションが開催されました。

私は今年このSPACを所管する企画文化観光委員であり、
県議会第2会派「ふじのくに県議団」の政調会長としても、
毎年多額の県税を投入しているSPACの状況やありかたについては
今年はとくに関心をもって臨む所存でおりましたので、
今日は本当に良い機会となりました。

かねてからSPACについては県議会でも賛否両論あるところで、
芸術性については『前衛的でありすぎる』との指摘があったり、
専用の練習場や劇場を持つことから『贅沢だ』という批判もあり、
私個人的にはSPACの存在意義を認める見地でありますが、
それらの意見も尊重しつつ、いつも慎重に観察をしています。

しかしながら、今日はそれらの杞憂を一気にふっとばす
すばらしい一日であったのではないかと私は感じています。
たぶん、私だけでなく川勝知事や両副知事、
県幹部のみなさんをはじめ今日会場にいらしたかたがたは
等しくそう感じていただいたのではないかと思っています。

SPACは最近(とくに宮城聡芸術総監督が就任されてから)
大変失礼な表現ながら、いわゆる”独善”から脱し、
劇場という「非日常」の世界から俳優を「日常」に連れ出し、
たとえば今日の開会式典でも舞台衣装そのままに
俳優たちが開会レセプションに参加し
気軽に参加者と感動や感激を分かち合ったり、
芸術劇場のカフェは俳優が交代制で店に立つようにしたり、
俳優が県内各地に出かけて、お茶を飲んだりおしゃべりしながら
台本を読み合わせをする「リーディング・カフェ・ツアー」の実施、
そのほかにも「路上パフォーマンス」や「フェスティバルバー」、
お寺を使っての芸術活動などなど、県内各地に多彩なカタチで
SPACが「文化芸術」を流布し始めています。
県内中高生の観劇ツアーも積極展開、充実しはじめていて、
県民のみなさまに少しづつですが浸透してきたように感じています。

劇場という「非日常」の世界へのいざないは、
劇というものが「人間」がテーマである以上、
きっと、人間のこと、社会のこと、生活のことなどなど、
「生きるうえでとても大切なことを呼び覚ます場所」への
いざないになるのではないかと私は信じています。

『文化こそが国をつくる』
これは川勝知事の持論であられますが、
知事のめざすは”日本の理想郷・ふじのくに”。
・・・そのファシリテーター(先導者)の一翼は
もしかしたらSPACが果たしてくれるかもしれませんね。
私は期待したいと思います!

「ふじのくにせかい演劇祭」は7月3日まで静岡市の
静岡芸術劇場、舞台芸術公園で開催中です。
みなさんも一度は劇場に足を踏み入れてみてはいかがでしょうか?
お問いあわせは、054-203-5730 SPACまで。
ホームページも充実していますのでぜひご覧ください!
http://www.spac.or.jp/

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