オバマ再選で決着のついたアメリカ大統領選挙ですが、
刻一刻と迫る「財政の崖」への対応が注目されます。
選挙前のまったくの膠着状態からは脱して、
微速前進はし始めたようではありますが、
その後どうなのでしょうか?
再度アメリカへ行って確認してきたいくらいです。
というのも、もしアメリカがこの「財政の崖」の対応を誤ると
世界経済が大失速する可能性が高くなります。
日本も3週間後には、新政権が発足し来年度予算編成がなされるわけですが
その新政権がいきなりかぶる大波が世界経済の大失速ではたまりません。
とにかく「決められない政治」といわれる膠着状態から
日本も脱するためには、新しい枠組みで
(個人的には、大切なことをスピーディに決めねばならない
今の日本ではできれば大連立で)さまざまな諸課題に
臨まなければなりません。
また、日本国内では来年3月に大波がきます。
『中小企業金融円滑化法』の期限が来年3月に切れます。
亀井静香金融担当大臣の”ゴリ押し”で導入された
通称「金融モラトリアム法」です。
当時から「倒産の先延ばしだ」という批判がありましたが、
今やこの法律を利用した返済猶予は今年3月時点の累計で約80兆円。
来年3月には100兆円を超えているのではないかという恐怖感すら
感じます。利用しているのは約45万社。義務付けられている
「現実的な経営改善計画」の達成率は20%程度。
裏返せば80%が未達成ということであり、このところ
返済猶予されているにもかかわらず倒産する会社が目立ち、
さずがにそろそろ限界を感じます。
とすると、少なくとも45万社のうち三分の一程度が
もはや実質上の倒産状態にあるのでは、と考えておかないと
危機管理ができません。
一気に15万社程度がふっとぶ状況を考えておかねばならない
と、いうことです。
新政権は勇ましい右傾化した外交防衛論だけでなく、
ちゃんと内政を考えねばなりません。
生活の安心をつくりだす社会保障制度も年金も
まずは経済が回ること、安定成長路線に入ることが基本ですので
そのあたりをきちんと認識して、国会議員候補たちが
何を言うのか、何を考えているのか、
それが現実的か、非現実的か、党利党略かそうではないか、
空虚な”だたの夢見る人”ではないか、などなど
今回の選挙ほど、人物本位で選んでいただかねばならない
選挙はないと痛感しています。