ふたつの政令市

静岡県には「静岡市」と「浜松市」という
二つの政令指定都市があります。

私は「浜松市」選出の県議会議員として、
県庁のある「静岡市」に通っているわけですが、
この二つの都市のコントラストが最近顕著に感じられます。
私は浜松選出ですから、ちょっとかたよりがあるかもしれませんので、
あらかじめ「浜松出身」とあらためてお断りはしておきます。

「静岡市」は県庁所在地の恩恵を十分に得ていて
ハード・ソフト両面の充実感をものすごく感じます。
正直”うらやましい”。
私は元市議会議員でもあるのですが、
静岡市の市議会議員は「県のハード・ソフト整備」も
計算に入れながら、事業計画を立てればよいのですから
これも”うらやましい”。
「県庁所在地の強み」というのを肌で感じている今日この頃です。

対する浜松市。
政令指定都市になったがために、県の発注事業は当然ながら激減。
莫大な整備費がかかる北遠地域も抱いているだけに、
市独自の事業の幅がかなり狭くなってしまっています。
それを補える県庁所在地特典のようなものはなく、
経済不況の直撃をモロに食らっている感じです。

実際、今の季節浜松は”からっかぜ”といわれる冷たい風が吹き荒れ
体感温度が下がり、気温ほど暖かくないのです。
そんな浜松から静岡へ出勤すると風がなく気温どおりの暖かさ。
まさに、この差を感じる今日この頃です。
たぶん、静岡市のかたにはあまり理解できないかもしれません。
”わがままを言ったりしてないだろうか”と検証するために
たまには浜松へ来てみると良いのでは、とすら思う今日この頃の
静岡市の県へのモノの申し入れようです。
ただし、これ、静岡市にケンカを売る話ではありません。
地方主権の確立のためには、地方のリーダーたる県と政令市が
しっかりタッグを組んで将来図を描かなければならないのです。
地方同士でいがみあったら、それこそ中央集権体制を維持してゆきたい
霞ヶ関の思う壺です。
ここは、お互い譲り合い、自重し合い、助け合って、
地方のリーダーとしての器量をみせなければなりませんね。

今、日本には浜松以外に県庁所在地でない政令指定都市はわずかしかありません。
18市中4市。川崎市と北九州市と堺市だけです。
ここには同じ県の政令市でありながら「格差」があることは歴然です。
このあたりも、しっかりと認識をして県としては政令市との関係を
考えてゆかねばならない地方主権時代への課題だと思います。

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