”微笑みの国”と言われたタイが混迷を深めています。
反政府勢力のデモ隊が首都バンコク封鎖し、政府は非常事態宣言を発令。
緊張が高まっています。
もともと反政府勢力は、タクシン元首相らが対象となった恩赦法に反対して
インラック首相(タクシン元首相の実妹)の退陣を求めてデモを始めたので、
インラック首相は下院を解散し2月総選挙で民意を問うことにしたのですが、
反政府勢力はそれに納得せず、今日の事態になってしまっています。
タイは、日本企業も多く進出し、日本人も多く住んでいることもあるので
一日も早い平和的な解決を望むところではありますが、
事は簡単ではなさそうです。
「選挙」というのは、近代自由民主主義においては、
代議制というかたちで民意を反映する最高の手段であったはずですが、
近年、タイに限らずその手段に対しての疑問が噴出しているように感じます。
ただ、この現象は多くの研究者によって予測されていた事態で、
「自由民主主義における代議制というのは、近代化の初期においては成立するが、
近代化が進化すると機能不全になってくる」という論旨です。
まさに、タイという国はなにか問題があると国民の尊敬を集める
国王が仲裁して、騒乱はそこで停止していたのですが、
最近は国王陛下の体調がすぐれず、この事態に陥っているわけですが
タイはまさに人類の近代化進化モデルを、17世紀のイギリスの思想家
ホッブスとロックが打ち立てた「社会契約論」による思想や、
18世紀フランスの思想家「民主主義の祖」ルソーの思想を、
さらに議論すべき時がきていることを告げているのかもしれません。
これ、詳しく論じていると延々とブログを書き続けなければなりませんので(苦笑)
さわりだけにしておきますが、ぜひ”対岸の火事”ではなくて、
世界の未来のためにも、注視し考えなければならないときだと感じていますので、
みなさまも、久しぶりに哲学書を紐解いてみることをおすすめします。