今日は、午前中テレビを見られる時間があり、
いつもはほとんど見られない政治討論番組をハシゴしました。
いずれもごもっともな議論でしたが、民主党批判も普天間も煮詰まっているな、
民主党側も手詰まりだし、対する自民党側もかつては”我がこと”だっただけに
全体的にキレのなさを感じる議論でした。
さて、ここで考えておかなければならないことがあります。
「世界の中の日本」ということをです。
その観点から言えば、今日のテレビの議論では到底物足りません。
現在の世界情勢を見ると、日本のニュースは中国の上海万博一色ですが、
イギリスとフィリピンが総選挙の最中。
タイは騒乱状態。ギリシャやアイスランドは国家財政が破産状態。
ネパール、インド、ロシア、アメリカそしてアフリカ各国ではテロ。
そして、アイスランドでは火山の噴火。中国で大地震。
などなど世界ではさまざまな動きが起こっています。
最近のこのブログでも何回か取り上げていますが、
今世界では「パワーシフト」が起こっています。
それはアメリカの一強時代の終焉。
でも、アメリカ一極時代から明確に選手交代になるかというと
そうではないでしょう。勃興している中国も、復権してきたロシアにも
その力はありません。共同体としてのEUにも。
そう考えると、今後世界は多極化すると考えるのが妥当だと思います。
日本はどうか。
鳩山民主党政権が、アメリカ一極外交の見直しをし始めたのは、
これはこれで正しいと考えます。これは自民党ではやりきれないことでしょう。
そういった意味では政権交代は正しい。
でも、多極外交をきちんとやってゆくためには、まだ日本は甘いと考えます。
これからの日本に必要なことは、
「世界の変化に対して柔軟な対応ができる国になること」
「自分で決めることができる国になること」
だと私は感じています。
多極外交というのは、二国関係だけの問題ではありません。
同時に多国間関係を考え調整してゆくという困難な外交なのです。
ゆえに、「日本がどうしたいのか」「長期的にどんなビジョンで動くのか」
を明確にもっていなければなりません。
また、世界が不安定化したときに大切なことは、足元を固めることです。
ゆえに、今日の討論のようなコップの中議論も大切ですが、
コップの外もちゃんと見ながら決めてゆかなきゃいけないはずです。
また、外交で言えば近隣諸国との関係が「足元」になります。
東アジアとの外交はますます重要になります。
こうして、整理しながら考えてゆくと、
ニュースの見方も変わってきますし、考え方もつながりがでてくるはずです。
また、マスコミもなにを報道しなきゃいけないのかわかるはずだと思うのですが。
そして、国会議員を筆頭とする我々政治家が本当に為すべきことも。
私はもともと「地方主権論者」ですが、
こうした多極外交の困難さを予測するとき、
一刻も早く、分権化、地方主権化を進めて、
国の仕事を「外交」「防衛」「金融」に特化してゆくことが、
日本の行く末を決めるのでは、と強く感じるようになっています。
みなさんは、どうお考えになりますか?
「パワーシフト」
このキーワードが、さまざまなレベルでこれから重要です。
これを考え方の根底に置きながら組み立てることが、
次の時代をつくるためには、なくてはならないことだと思います。