ビックデータとは

『ビックデータ』という言葉ご存知ですか?

私もつい先日Foreign Affairs Reportで特集を読んだばかりで、
このところ個人的に興味が高い研究対象である
「統計学」関連の書籍群の読後感ともあいまって、
その内容について”うーん”と考察を巡らせていたところだったので、
先日発表された安倍総理の成長戦略構想にでてきて”やはりなあ・・・”
というところです。
ただ、報道されてくるとらえ方に少し違和感はありますが、
今や世界的に無視できない流れですので、
”とりあえず乗り遅れはできない”といったところでしょうが、
これ、しっかりとしたビジョンと良識ある専門家の存在が不可欠です。
全てを解説してゆくと、超大作の論文になりそうなので(苦笑)
端折って今日はさわりだけをブログにしておきますね(笑)

まず、そのレポートを私なりに要約して紹介しておきます。

『The Rise of Big Data』
– How It’s Changing the Way We Think About the World –
という副題のついたレポートです。
著者は下記のふたりの専門家。
Kenneth Cukier エコノミスト誌データ・エディター
Viktor Mayer オックスフォード・インターネット研究所教授

~ビックデータとは、その名の通り膨大な情報だ。
今や、ウェブを通して膨大な情報を収集しデータの共有ができるが、
ビックデータの本質は「膨大なデータによって予測不能だったものが
予測できるようになる」ということだ。
今や、膨大なデータをコンピュータに与えることによって、
”何が起きるかを予測させることができる”ようになった。

選挙の出口調査はほぼ正確な結果を導き出す。
でも、これは”事後のサンプリング”がもとになっている。

ビックデータは”事後のサンプリング”ではない。
因果関係にある様々なデータによって”物事を予知してしまう”のだ。
すでにアメリカでは、ビックデータを用いて火災リスクの高いビルを
導き出して防火対策に活用している実例もある。

しかし、このビックデータは使いようによって恐ろしい社会をつくりかねない。
すでにアメリカ国土安全保障省は、「犯罪を犯す前に、間違った行動を
とりかねない人物を特定する」というリサーチプロジェクトを立ち上げた。
これまでのところ、このシステムで特定の個人が容疑者とされたケースは
ないようだが、システムがエラーを起こす可能性や、根本的な問題として
個人の自由な意思を否定してしまうことだってありうる。

もし、政府がビックデータのパワーを過度に信用するようになれば懸念は広がる。
権力とデータパワーのみが判断基準になれば人が人でなくなるのではないか。
人間はときに統計では測れない結果をだすことがある。
ゆえに、データやコンピュータが導き出す答えのみで、
人間のみがもつ天賦の才である、想像力、直観、知的向上心などが
締め出されてはならない。
”ビックデータとは不完全なものである”
という真理を忘れてはならない。~

次代を担うためには避けては通れぬ、考えねばならない事象ですし、
もはや時代の自然の流れでもあるので、みなさまもこれらの関連について、
ご興味をもっていただくべきだと感じています。

また、このForeign Affairsのレポートは秀逸なのでぜひご一読をおススメします!

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