リー・クワンユー。
言わずと知れた、人口450万人の小国ながら、
今日もめざましい繁栄を続けるシンガポールのリーダーです。
私が、大学時代「ロシアを含むアジア」を研究材料に選び、
”アジアの時代の訪れ”をずっしりと感じ取った第一が
このシンガポールであり、この偉大なリーダーでした。
なので、それ以来注目をしている国でもあるのです。
そういえばつい最近(先週ですよね)、
F1初のナイター開催のシンガポールグランプリが
おこなわれたばかりですので、その繁栄ぶりを
テレビを通じて目の当たりにされたみなさんも
多いのではないでしょうか。
そのリー・クワンユー元首相が日本について
興味深い発言をされていましたので、紹介をしておきます。
『日本は裕福すぎるゆえに、大きな経済問題に直面した場合、
大改革をおこなうのではなく、今まで蓄積した巨額の
余裕資金のなかから資金を出して問題を和らげる、
という方策を選択してしまう。日本がもし、たとえば
インドネシアのような経済状況だったらば、食料価格の
高騰で飢餓に陥る人々が多く出るなど、国民がコトの
重大さを理解することから、政府は迅速なる対応が
できるであろう。日本はもっと指導者が強い説得力を
もって、日本が今直面している状況はかつてとは違う、
ということを国民に知らしめる必要がある』
と、ぬるま湯体質の日本に強い警告を発してくれています。
さて、みなさんはどう感じられますか?
解散はさておき、
今の日本はこのご指摘どおり、
しっかりした景気対策とはどんなものなのか、
政府は真剣に考え、迅速に実行し、
そして国民はその成否をしっかりと見極めなきゃいけない
本当に大切な時期にいるのです。
少なくとも、来年度予算に向けては歳出転換を図り、
削りすぎた社会保障費を復元し、国民に安心を取り戻し
まずは足元からの景気の浮揚を考えておかないと
悪循環は断ち切れないと私は考えています。
そういう意味では、麻生さんの発言のなかの
「財政再建より景気対策」というのは正しい。
ただし、その「財政再建」を声高に叫ぶ財務省および
それに連なる外郭団体を解体するくらいの大改革が
できれば、の話ですが。
シンガポールの繁栄を今日もリードしている
”親日派”でもある大リーダーのご助言に
我々日本は応えなければなりません。