昨日の『あべたく政治塾』でみなさんにこのような設問を投げかけました。
『世界地図をできるだけ精微に書いてください。
そして世界で起きている紛争とその原因をわかるだけ書いてみてください。』
と、いうものです。
これは今年度のテーマである「世界観を広く」につながるものですが、
こうして実際書いていただくと、苦戦しておられるかたが多く、
知っているようで知らないことが多いことを実感していただいたことでしょう。
また、「国際社会」とひとことで言いますが、
世界の国や地域、民族、宗教などそれぞれの価値観があり、
それぞれの国益や目的があり、それぞれが独自の世界観を持っています。
そしてその世界観の背景には、それぞれの固有の歴史があり、
固有の事情があり、長年に渡って形成されてきた思想があります。
ゆえに、国際社会のなかで主張して、かつ協調して、
世界が相互依存しながらこの地球を維持してゆくためには
それらさまざまな世界観を知っておかなければなりません。
たとえば、ポーランドからみた世界観であれば、
長い間、周辺諸国に侵略を繰り返され、都合のいいように利用され
国の主権も民族の人権も脅かされ侵され続けた悲劇の歴史を持つこの国は、
過去の歴史のせいで、国際条約や国際機関をほとんど信用しません。
カナダは、アメリカという超大国が隣国にありながら、
「一極主義」を標榜したがるアメリカとは一線を画して
「多極主義」を貫こうとしてきました。
その象徴が1956年の第2次中東戦争の後に
カナダ外相レスター・ピアンソが提唱した「国連平和維持軍」の創設です。
また、国の歴史と民族の構成上、イギリスとフランスの影響も大きく
イギリス連邦内やフランス語圏の途上国支援などにも積極的です。
・・・と、いうように「世界観」はほんとうに多様かつさまざまな背景や事情を持っています。
そんなことに思いを巡らせながら、また学びながら世界地図を眺め、
世界のニュースに耳を傾けることが、とても大切な今日この頃なのです。
みなさんも、いちど「世界地図」書いてみてくださいね!
きっと知らないことがたくさん見えてくると思いますので。
その気づきが、きっととても大切なのです。