「NPO法人京田辺シュタイナー学校」を視察させていただきました。
”NPO法人の学校?””シュタイナー学校?”ですよね、きっと。
基本的にNPO法人が学校をやっていることは日本で例のないことだと思います。
NPO法人が学校経営するということは文部科学省の学校法人に対する
補助対象にはなっていませんので、まずは学校経営として大変です。
経営は、保護者を中心にしたNPO理事がおこない、
財政は保護者の授業料(みなで創るので参加費と呼んでいました!納得です)、
寄付金などでまかなっています。
で、基本的にシュタイナー学校というのはどういうものかというと、
オーストリア生まれの哲学者ルドルフ・シュタイナー(1861~1925)が
1919年ドイツで創立したのが始まりで、「こどもの成長の過程の教育には、
基本的学問以外に医療、農業、経済などさまざまな社会的実践の場が必要である」
という理念であり、この京田辺シュタイナー学校も12年間一貫教育のなかで
それらの社会的実践を取り入れ、ひとりひとりのこどもの育ちに
じっくりと”寄り添うように”取り組んでいる様がよくわかりました。
シュタイナー教育の特徴はだいたい以下のとおりです。
1.教科書を使わない。しかし学習指導要領に定められた内容はほぼこなして、
自治体の教育委員会の理解を得て、公立の小中学校に学籍だけおいて
卒業証書はいただいている。また高校の場合は大検を取得することで、
一般学校との整合性をとっている。
2.「エポック授業」という毎日100分のメイン授業で3~4週間連続して
同じテーマをじっくり掘り下げる。テーマに関連する実践活動などを
おこなうことで、こどもたちは実感をもって学ぶことができる。
たとえば「数学」。放物線を体感するために校庭でキャッチボールをして
具体的に理解をさせる。などびっくりするような内容で感嘆します。
3.外国語は1年生から2つ。言語の質や文化も踏まえて授業をし、
交換留学や文通などでより実践的な外国語学習。
4.体験授業は本格的で、農園を借りていたり、実際に家をつくったり
(ちいさなものですが)、オーケストラ、木工など”本物の体験”ができます。
5.そして、このシュタイナー教育の大方針は、
「卒業時に自分のミッション・存在価値をみつけていること」です。
本当にさまざまなことに感嘆をしました。
同行した私学関係者や議員も同様、驚嘆されていました。
正直、こどもたちをこの教育のなかにゆだねたいという衝動に駆られるくらいです。
私の敬愛する先輩夫婦がかつてお子さんの教育を考えたときに
このシュタイナー教育を選び、北海道に移住までして
北海道の伊達市にシュタイナー学校を立ち上げたのですが
それいらいずっと気になっていたこの学校の本質に
ようやく触れられた気がします。
このブログをごらんになって興味に駆られた方は、
教育を考えるかたであれば、ぜひ体感されることをお勧めします。
「教育とはなんぞや」という真髄を垣間見れると思います。
最後に、お忙しいなかご対応いただいた
京田辺シュタイナー学校のみなさまに感謝を申し上げ、
すばらしい視察の報告とさせていただきます。