全国学力テストの結果が公表されました。
静岡県は、小学校6年生も中学校3年生ともに全教科で成績が大幅に上昇しました。
順位だけでいうと、総合では小学校6年生が15位、中学3年生は5位と大躍進です。
教科ごとでも、昨年最下位となってしまった小学校6年の国語Aも
全国平均をわずかに下回ったものの順位も27位と上昇がしました。
しかしながら、この学力テストをめぐって
教育のありかたについてさまざまなかたちで大論争になったことは、
みなさまも記憶に新しいところだと思います。
今年の結果は、一年間の関係者各位の努力の賜物であることはまちがいありません。
こころからの敬意を表したいと思います。
改善傾向が如実にあらわれたことで、表向きの順位的なことはひと段落なのかもしれません。
でも、ここからが問題です。
「教育」はテストの点数だけではありません。
教育現場の現実や家庭環境、社会環境についても直視しなければなりません。
また「学力」もただ単にテストの点数だけではありません。
学力の本質についてをよく考えなければなりません。
「学力」の現場は、複雑です。
教育現場には、問題がある教師の存在があるのも残念ながら事実でしょうし、
こどものことを学校に丸投げするような保護者の側にも大いに問題があります。
また、深い考察もなく単なる点数評価をしがちなマスコミの姿勢にも疑問を覚えます。
まず、学校の先生についてもっと現状を知る必要はまちがいなくあります。
”世界一多忙”と言われる原因はどこにあるのか。
教師の育成体制や、あるべき教師の姿についての尺度は正しいか、
学校の管理体制、運営体制は現場本位なのか。
採用について、よりよい採用がなされているか。
・・・などなど、検証すべきことが山積しています。
また、まちがいなく難しくなっている教科書の内容についてはどうなのか。
またその内容は本当に社会にでて役立つものなのか。
”世界標準”という視点でみると、はたして日本の教育内容でいいのか。
そして、”学校だけでは学力をつけきれていない現実”という大きな問題もあります。
いまや「塾」がないと、学力がつかないと公言してしまう教育関係者も多く、
学校現場でも『部活と両立するためには、塾に行け』とこどもたちに言う教師すらいるという事実。
”うーん”と、考え込んでしまいます。
これらは、教育環境を取り巻く問題の一部分でしかありません。
そのほかさまざまな問題について、
教育界、保護者、地域社会、そして国を始めとする政治、さらにはマスコミなどが、
それぞれが自己主張をするだけではなく、それぞれの現状と主張を直視して、
きちんと多角的に議論をしてゆかねばなりません。
そんな議論をスタートするきっかけとしなければならないのが、
今回の学力テスト論議だと思っています。
静岡県においては、ここからの議論の深化をしてゆこうと思っていますので
ぜひ注目していただきたいとともに、いっしょに議論に参加いただくことを
お願いしてやみません!