南アルプス視察登山

南アルプス千枚岳2880Mに登山してきました。
え、っと思われるかたもいらっしゃると思いますが、
私は2年ぶりの千枚岳への登山。しかもコレ、実は仕事なのです。

静岡県の地図を思い浮かべてください。
”とんがり帽子”のような部分がありますよね、
あの”とんがり帽子”、根元のあたりから
すべて私有地だということ知ってましたか?
びっくりですよねー
私も始めて聞いたときは「えっ!」って息をのみました。
「東海パルプ」さんという会社の持ち物で、
明治時代に前身の大倉財閥が国から購入した
実に広大な土地です。

その私有地に「南アルプス国立公園」の指定がされていたり
静岡県の整備する登山標識や登山小屋が作られているのです。

大井川をさかのぼってゆくと、「畑薙ダム」というダムがあり
で、その先(上流側)が私有地というわけで、
ゲートがあり、そこからは東海パルプさんの車で登山のための
ベースキャンプになる山小屋に移動するというわけです。
島田を出発したのが9時。畑薙ダム到着が13時。
さらに2時間悪路に揺られて山小屋到着。
”南アルプス登山は大変”といわれる所以が、
このアクセスの悪さにあるのは事実であります。

さて、2年前の登山は植生調査や登山道の整備状況など
観光開発の可能性調査が主でしたが、
今回はこの千枚岳中腹にある「千枚小屋」が
今年の山開きを前にした6月、山小屋が無残にも
全焼しているのが発見されたニュースを覚えていらっしゃる
かたもおいでかと思います。
この建物は県が建てたものであり、
今後の小屋の再建の必要性の有無も含めての検証登山となりました。
幸い今回も天候に恵まれ晴天無風という
絶好のコンデションでの登山で
最年少の私は楽しんで登らせてもらいましたが、
「酸素が薄い・・・」と年長の県議は苦闘されておりました。
確かにペースがもう少し速ければ私もキツイとは思います。
かなり急な角度のルートもありましたし。
でも、登頂後に食べたお弁当がなんておいしかったことか!
最高の景色と達成感とお天気で幸福感を味わうことができました。
やはり「苦あれば楽あり」ですね。
  
さて本題の「千枚小屋」ですが、
見事に跡形もなくなっており、
仮設プレハブと運動会などで使う大型テントが一張。
この夏の登山者の皆さんは、そこで寝袋にはいって
お休みになられたそうです。
雨風の強い日にはさぞ難儀されたことでしょう。
前回登山でここに立派な小屋が
あったことを知るだけに実感をしました。

火災の原因は雷ではないかと推測されているようですが、
周囲の山に燃え移っての大規模な山火事にならなかったことを
いまさらながら安堵する現地検分でした。
南アルプスの縦走ルートでも、ベースキャンプの
さわらじまから5時間、二軒小屋からも4時間という場所にある
縦走の最初の重要な拠点になっている千枚小屋だけに、
再建の必要性を実感として感じました。

また、今回の登山の目的は、
千枚小屋再建の必要性調査、植生調査はもちろんですが、
「南アルプスの世界自然遺産への登録の可能性について」も
重要な調査事項でした。
「自然遺産登録」のハードルの困難さは聞いておりましたが、
前出のとおり、1社が単独で所有する民有地であったがために、
また、あまりに山深く、アクセスが悪いために、
自然があまり壊されず、荒らされずきていることは
メリットではあり、可能性を見出すところでありますが、
「稀有の地形や地質、生態系」となってくると、
”世界に類を見ない”とまで言い切れるものではないそうで、
さらなる研究調査の必要性を感じました。
でも、この自然をこのまま守ってゆきたいなあ、
と感じつつも、民有地である以上、所有者の企業としての
生計が今後も保証されてゆかない限り、この大自然の残る
”秘境南アルプス”も切り売りされて、乱開発されてしまうという
悪夢だってありうるわけで、一方で危機感を強くしつつ
山を下りてきました。

最後に、ご同行いただいた、
この南アルプスを管理運営される㈱東海フォレストの
河原社長、竹村さん、鈴木さんに心からの感謝を申し上げ、
また静岡県にこんなすばらしい自然が残っていることにも
感謝と感銘と感激をあらためて実感させてもらいつつ、
今回の南アルプス視察報告とさせていただきます。

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