天竜川川下り船転覆事故の行方不明のかたがたが、
大変残念ながらご遺体でみつかりました。
こころからのご冥福をお祈り致します。
ご遺族様のご心痛を思うと本当につらい気持ちでいっぱいです。
この事故は死者5人という大変な惨事になってしまいました。
当然ながら、事故原因の究明を進め安全対策に不備があった部分に
ついては責任の所在を明らかにししかるべき対応をとってゆかねば
なりませんし、運航会社である天竜浜名湖鉄道の責任はまぬがれません。
ただし、ここで確認しておかねばならないことがあります。
ひとは、もし円の一部が切れているとそこに目がゆくように、
”他人の欠点が目に付きやすい”というのが習性です。
それを今回の天竜浜名湖鉄道株式会社についてあてはめると、
気をつけなければならないことがあります。
天竜川川下り船の運航がなぜ天竜浜名湖鉄道であるかは
先日のこのブログでもご紹介したとおりですが、
近年の天竜浜名湖鉄道は現在の名倉社長が就任してからは、
地道でもしっかりとした経営改善がなされ、
一昨年、昨年と天竜浜名湖鉄道開業以来初の黒字を計上し、
運転士さんの教育も充実、特に安全管理には格段の変化があり
出発前の前方確認やホームの確認、列車のすれ違いの待ち時間には
車内の見回りや乗客への声がけなどなど、
県議会議員に当選させていただいて以来県庁への通勤に
天竜浜名湖鉄道を使い続ける私としたら、
その「改善された変化」と「安全へのこだわり」については
社員への意識の徹底と浸透を実感していただけに、
本業でない「地元への貢献事業」として採算があわないことを承知で
請け負っていた川下り事業で天竜浜名湖鉄道そのものの評価が
失なわれてしまうのであれば、それは残念でなりません。
さらには、今後天竜浜名湖鉄道の存続そのものが、
この事故が原因で問われることがあるようでは、
大切な地域の公共交通を失うという取り返しのつかない事態にもなりかねません。
ですので、川下り事故の今後の対処については
もちろん厳粛に責任の所在を明らかにし、
最大限しかるべき対応をしてゆくことは当然ですが、
天竜浜名湖鉄道本業については別でありますので、
正確な評価をし応援を続けてゆかなければいけないと思っています。
今週中には、臨時取締役会が開かれるとのことですが
取締役である、県および沿線市町は全面的に
この事故対応と今後の支援体制を確認し積極的に展開をしてゆくべきです。
それが、取締役会を構成する責任ですので。
ちなみに、取締役は10名。
代表取締役社長は名倉社長ですが、その他のメンバーをよくご確認ください。
取締役会長 静岡県知事
取締役副会長 浜松市長
取締役副社長 掛川市長、湖西市長
取締役 磐田市長、袋井市長、豊橋市長、森町長、県文化観光部長
これでおわかりのように、責任を社長ひとりに押し付けるのではなく、
取締役会の責任は皆でとらねばなりません。
また、私たちもできることはしっかりとしてゆかねばなりません。
こうした理解されにくい事実をつまびらかにしてゆくこと、
ご遺族さま、事故にあわれたみなさまのケア、
そして天竜浜名湖鉄道本業のさらなる支援体制をつくってゆくこと、
できることはとにかくなんでも取り組んでゆきたいと思います。