全国学力テスト国語A最下位を受けての一連の教育改革のなかで、
全県の義務教育課程校長を全員集めての緊急集会
「学力向上集会」が開かれました。
ひとことで言うと、
緊張感と微妙な空気の集会でありました。
学力推進協議会会長の静岡大学の村山功教授の分析とご指摘は的確でした。
教育界には『小学校の成績は悪くても、中学校で上がっているから大丈夫』
との認識があるようですが、これに関してもばっさりと斬捨てました。
・平成19年から小中ともに成績は下落し続けている。
・小学校と中学校のテスト結果は確かに伸びているが、毎年この伸び率が低下し、
小学校の成績が悪ければ悪いほど伸び率も鈍化している。
と、いう”動かぬ証拠”を突き付けられ、
「なぜ、調査結果を無視しようとするのか?
それは、自分たちの授業で十分だと思い込み、徐々に低下してきた結果を無視して
ほとんど手を打ってこなかったから。過信である」と厳しく叱責し、
「付け焼刃の対処療法ではなく、学習指導要領をキチンと読んで理解して対策を立てるべき。」
とはっきり言い切り、具体的な提言もされました。
①まず、5年生に本年度の調査問題を実施して、
②採点基準に従って、全教員で採点し、
③自分たちの指導が十分であるか話し合うこと。
私からみたら見事なご指摘だと感じましたが、
居並ぶ校長先生や教育委員会事務局のみなさんからすると複雑な心境なのでしょうね。
外部から招へいした講師に対して拍手もしない不遜さが大いに不快でした。
礼儀や道徳を教える教師のトップであるみなさんがこれでは・・・
その一方で、文部科学省のお役人の講演では、同様に厳しい内容であったにも
かかわらず拍手をし、司会者まで出てきて再度拍手を強要。
外部からの視点でみていると、この教育界の歪んだ感覚というか、
教育界ピラミットというか、この部分からの改革の必要性を感じます。
また、川勝知事からも厳しい指摘もあり会場の雰囲気は微妙な緊迫感でした。
模範校とされた2校の成績が平均点を下回っていたことも不幸でしたが、
結果がでていないだけに、教育界に対して厳しい見方になるのは仕方ありません。
ただ、知事も苦労されている教育現場を観に行く、手助けをしたい、という
意志は強く表明されましたので、教育をよくしたいというのはみな同様です。
・・でも、知事にも拍手はしません。
まちがいなく、教育界は改革が必要です。
ただし、救いは最後に学校教育課長がされた総括でした。
かなり踏み込んで反省と具体的な対策を述べられ、老舗の商売に例えて
「教育界は老舗静岡商店です。
でも、最近商売がうまくいかないことを『最近の客は見る目がない』とふんぞり返っている。
これはお客様のニーズや時代の流れや世間が見えていないということ。
いまこそ、誠実に真摯に時代に向き合うべき時がきました。
川勝知事や村山先生のご指摘をしっかりと受け止め、数年後は老舗静岡商店が
品質の良さでふたたび日本を騒がせましょう」と締めくくりました。
外部からみたらとても良い総括であったと思いますよ。
でも、散会後それにもぶつぶつ言っておられる参加者のお姿を見るにつけ
問題の根深さを、あらためて知ることができた集会となりました。
・・・苦笑。