安倍政権がさまざまな施策を矢継ぎ早に繰り出しています。
”矢継ぎ早外交”については、とてもすばらしいと感じます。
訪問国にも戦略性が感じられますし、先日モンゴルとEPA協定を締結したりと、
課題のTPPにゆきつくであろう、対外貿易の諸問題に果敢に切り込んでいく
この積極性が日本には必要でしたので、この姿勢は大いに評価したいと思います。
ただし、目玉商品である「アベノミクス」には陰りが見えます。
「三本の矢」という目玉施策の「量的緩和政策」「財政出動による景気刺激効果」は、
早すぎた消費増税によって失速した感があり、債務削減を狙う財務省の圧力だったのか、
来年には10%に再値上げというストーリーまで示されては、
消費マインドに悪影響を及ぼすばかりだと感じています。
残るもっとも重要な「成長を促進するための構造改革」は、
案の定あいまいで、すでに海外からは『幻想にすぎなかった』と評され、
『しょせんは、株価だけでもっている”信用詐欺』
(Richard Katz 日本経済に詳しいジャーナリスト)とまで断罪されています。
また、それを裏付けるように頼みの株価もじわじわと下降しており、
外国人投資家は『安倍政権は構造改革はできない』と懸念している、
もしくはあきらめた、といえる様相だと思います。
その”アベノミクスの陰り”を隠すように、盛んに外交を展開しているとも言えることは、
皮肉ではありますが、まあ積極外交は評価しておきたいと思います。
さて、一方で懸念されるのが、「安全保障問題」や「歴史問題」傾倒しすぎているということです。
これは、世界的も懸念されていることで、先の「集団的自衛権問題」の閣議決定というような
乱暴は許されず、よほど丁寧に取り組まないと国内外にハレーションを引き起こしてゆく事案です。
はたして、これをどの程度安倍政権はわかっているのか?
もし「確信犯」であれば、危険すぎます。
中国や韓国におもねる必要はまったくありませんが、
アメリカをはじめとする同盟国、また親日各国・地域に周到に根回しをしつつ
ひとつひとつの事案を進めてゆく、一歩一歩着実に橋頭堡をがっちり築いてゆくという
堅実さがあってこそ、「戦略的」といえます。
これからの日本にはこの戦略性が必要です。
日本の行く末は、国民の意識にもかかっています。
ぜひ高い意識をもって、この国がなにをしようとしているのか、
どこに行こうとしているのか関心を高くもっていただくことがとても大切な時期だと思います。
私も、本来業務である静岡県政”日本の理想郷ふじのくに”づくり、だけではなく、
なるべくさまざまな角度からの政治の姿の情報発信をしてゆきたいと思います。