『老朽団地再開発しやすく。住民3分の2の合意で建て替えへ政府法改正』
という記事が新聞の一面におどっています。
少し私見を述べておこうと思いますが、
これ、一見”いいことだ”と感じますが、実は注意が必要なことだと感じています。
いままでマンションの建て替えは「8割以上の合意」が必要でしたので、
ただ単に市街地再開発のための条件緩和という意味合いは当然あるので、
評価すべき部分は大いにあることはあるのですが、
その建て替えに反対する所有者のなかには、建て替えに際して求められる負担金等を
支払うことにできない高齢者を中心とした経済的困窮者のかたがたがいらっしゃることを
見過ごしてはなりません。
私は東京にいるときに(もう10年も前になってしまいましたが・・・)
高齢者ばかりのマンションや高島平団地に代表されるような集合団地群を目の当たりにしてきました。
戦後日本の繁栄の象徴であるこれらの団地群には、当時ですら影が落ちてきていました。
高齢化と人口の減少です。
21世紀に入り、この状況がより深刻化します。
日本の20世紀の繁栄の基盤となったのは、「終身雇用制度」と「社会保障制度」です。
ところが、経済の減速に伴い当時の日本政府は「グローバルスタンダード」という言葉を旗印に、
「自己責任」という言葉を前面に出して「終身雇用制度」と「社会保障制度」を
全面破壊にかかりました。
当時、国会議員の秘書として永田町にいた私は”これで日本は大丈夫か?”と、
疑問を覚えながらすごしていたことを覚えています。
・・・昔話はこのあたりにしますが、
今回の法改正だけでなく、私たち政治家が肝に銘じておかねばならないことは
「弱者が困るのはしかたがないことだ。そんな状況を招いた自己責任だ」
というような、強者の論理のみが押しとおる日本にしてはいけないということです。
特に、わたしたち地方議員こそが地域の実情を、地方の実情を
しっかりと訴え続けなければならないと思っています。
先ほどの回想ではないですが、国会にいるとどこかマヒしまうことがありますから。
国会議員は、与野党問わずもっと地方議員や市井のひとびとの声を聴くべきです。
まずは、少なくとも現在の安倍政権の作ろうとしている
信じられないこんな「巧妙な勝ち組負け組制度」には
やはり疑問は指摘し続けてゆかねばならないと強く思っています!