彼岸花が咲く季節になりました。
あの独特の花の形状と抜けるような赤い色はひときわ目を引きます。
浜北では、田んぼのあぜ道や土手、川岸でよく見かけますが、
子どもの頃、・・・たしか小学校の低学年であったと思いますが、
初めてこの花を川の土手で見かけたとき、
あまりにきれいで採んで帰ったのです。
今は亡くなった祖母に『きれいな花があったよ』と
喜び勇んで差し出したところ、いつもは快活な祖母が悲しげな顔をしながら
『これは彼岸花と言ってね、仏様のための花なの。だからお彼岸に咲くんだよ。
あと、人間が採ってはいけないように毒がある花だから、これからは摘んではだめだよ。』
と、言われた記憶が鮮明に蘇ってきます。
正確には毒のあるのは球根部分ですが、
その後、この花を見るといつも思い出すどこか物悲しい幼い日の情景です。
その祖母も仏様になってしまって10年になろうとしています。
いまごろ、天国でこの彼岸花を微笑みながらながめているかなあ、
ながめていてほしいなあ、と思う彼岸花の季節です。