先週の視察は強行軍でしたが、
狙い通りかなり緊急性とストーリー性のある視察でしたので
せっかくですので報告書を元に順次ご報告してゆこうかと思います。
京都府立すばる高校 視察報告
平成23年9月9日(金)13:30~15:00
所在地 〒612-8156 京都府伏見区向島西定請120 電話075-621-4788
対応者 的場敏信校長、稲川孝幸副校長
視察目的 ①民間人校長の導入について
②特徴のある学科設置について
③実業高校のありかたについて
・同校は、旧名「京都府立商業高校」。あたらしい商業教育のありかたをめざして
新設学科の設置に伴い、校名を公募し「京都すばる高校」に変更。それによって、
京都府からは全国ではじめて公立の商業高校の名前を冠した高校が消滅した。
・的場校長は民間人校長として同校に赴任して9年目。元職は、
・京都府は大学進学率全国NO1
・すばる高校も、その進学ニーズを鑑みて学科の設置をおこなったフシがある。
・設置学科は「情報科学科」「ビジネス探求科」「企画科」
・「企画科」が特に人気で受験倍率は2倍。
・「情報科学科」はPCえお理解するため、ハード面では基本的なPCの組み立て、
ソフトは自分で構築(プログラム)してゆく。ほとんどが進学する。
なお、この学科を設置しているのはは全国で17.8校しかない。
・「会計科」は、「キャリアコース」と「ファイナンスコース」に分かれる。
ファイナンスを教えるのは全国でも稀有である。
・「ビジネス探求科」は、京都ならではの伝統文化に立脚した観光分野の教育が中心。
・コンピュ-タは500台。3年に1度のリース。サーバー室もあり。
・「アイボ」も5匹して、教育に楽しく導入している。
・校長だけでなく、民間からスペシャリストとして出向している講師もいる。
・最近は実業高校=就職ではなく、保護者のニーズも変わり、
そこそこの普通高校や大学いかせるよりも、専門性をもたせたい、
早期から「社会人力」を鍛えて欲しいとの風潮がある。
・全国の高校で展開されている「総合学科」はよくないと京都では思われている。
”あやふや””中途半端”であり、専門性が育たないし、
ジェネラリストにもなれない、教師の負担が大きすぎ”絵に描いた餅”に終わる。
・すばる高校の特性のひとつは、早い時期からの職業観の植え付けと、
専門教育の基礎のスタートで先進的に実践していること。
・基本は社会人教育としての、
「ケータイ電話禁止」「髪型・服装」「あいさつ」から。
これは、「常識とがまん」をおしえるということ。
≪総括≫実業高校の新しい取り組みを、民間人校長の柔軟な発想と広い世界観で
格段に飛躍させていると感じた。
「教育をいかに良くするか」という基本にたって、人材の配置や柔軟な人事、
未来図を予測し、対応力を養うための発想と決断、そして実践と反省の
繰り返し、それが京都では実行されていると感じました。
学科、授業内容についても大いに参考になりましたので、
静岡県の教育改革に大いに生かしてゆきたいと思います。
すばる高校のみなさま、ありがとうございました。