この季節、車の移動中も天浜線の車窓からも
水を張った田んぼの光景をそこかしこでみることができます。
すでに田植えが済んだ田もありますが、
今は多くは水を引き入れたままの状態で、
風に水面(みなも)が揺れ、水鏡に朝日夕陽が輝く、
といった、美しい光景を楽しませてくれます。
そしてまもなく、
白鷺が田んぼを優雅に歩きながらエサをついばみ、
夜になればカエルの大合唱が始まります。
この美しい日本の原風景は大切ですね。
こんな観点からも、
もっとも古い産業でもある「農業」を、
しっかりと支えてゆかねばなりません。
「農地利活用策」がよく論じられますが、
最近の論調は、どうも”農地をどうすれば企業用地や宅地に
転ずることができるか”というようなハナシになりがちです。
わたしも、「土地政策が重要だ」と常々説いてきましたが
土地には“適用適地”という基本があるべきで、
必ずしも「企業用地」や「宅地」を乱造するのではなく
農業に適した地域は農地をキチンと守ってゆくべきと
考えており、これ以上の農地への“迫害”には危機感を覚えます。
別の角度から見ても、
現在の地球温暖化、世界的な人口の増大、
原油をはじめとしたエネルギー資源の高騰など、
日本が現在の自給率39%という先進国最低の水準で
いることが許されない状況は差し迫ってきていることは
みなさまご承知のとおりだと思います。
政権交代ないしは、日本の政治体制が大きく変わる節目では、
絶対キチンと押さえなければならないポイントが
「農地」問題になることは間違いありません。
そのためにも、私たち地方で農地・農業と隣り合わせ、
共存をしている者が、しっかりと“現場の声”を
あげてゆかなければならない!と、
この”田んぼのある風景”からも感じています。
農業と農地のコト。
皆がもっと自分自身のこととして、
もっと身近なこととして、
もっともっと、考えてゆきましょう。