6月議会が開会いたしました。
今日は知事の6月議会所信および議案説明が主で
本格的な論戦は来週からのみっちり20日間となります。
さて、議会初日には「議員研修会」という
議会主催の議員および幹部職員対象の勉強会があるのですが
今日の講師は杏林大学大学院の田久保忠衛客員教授でした。
日本の代表的な国際政治学者のお一人です。
私は田久保先生の鋭い論説が好きですので楽しみにしておりました。
期待にたがわぬ、面白い研修会となりました。
せっかくですから全部をここでご報告したいくらいですが、
いくつか要点だけご報告しておきますね。
【モノの見かたについて】
”どこでモノをみるか”ということに尽きる。
知事は県のことを第一義として発言をする、
日本国総理大臣は日本全体を俯瞰した上で発言する、
アメリカ大統領は、世界の中での日本という観点から発言をする、
というように、
”モノの見方かた”に大局観をもつこと大切ですよ、
また、相手の発言の背景にある”モノの見かた”を
”どこに真意があり、なぜこの発言か”を
汲み取らねばなりませんよ、ということを論じられました。
これは、まさにおっしゃるとおりで、
静岡県議としての「立ち位置」や、「世界の中の静岡」の感じ方、
一方で「いち県民としての見かた」などを総合的に
おさらいしていただいたようでした。
【アメリカ大統領選挙について】
民主党の激しい候補争いに終止符が打たれ、
いよいよアメリカ大統領を選ぶ選択が始まる。
現時点では、オバマ氏がややリードしているように
報じられているが、さてどうなるか。
オバマ氏はここまで「チェンジ」のみを訴えてきた。
では、具体的になにをしたいのか?
・・・それがよくわからない、のがこれからの課題だ。
そして、やはり「黒人に対する偏見」。
この戦いをどう制するのか注目したい。
副大統領候補人選の成り行きが左右することになるだろう。
マケイン氏の弱さはなんといっても高齢。72歳だ。
ただし、言っていることに”哲学”があり
アメリカにとってわかりやすい、とのこと。
『国連は役にたたない。ゆえに新たに自由主義国家連合をつくる』
また、日本にとって良いのはマケイン氏だと言う。
上記の”哲学”のうえで、
『アジアにおいて最も信頼できるのは日本だ』と明言しているから。
ちなみに、オバマ陣営は「中国重視」だ。
【中国について】
小平の打ち出した「社会主義市場経済」の矛盾が
もうどうしようもなくなってきている。
その根本的な矛盾から目先をそらすために
がむしゃらに進めていることが
「軍事力増強」「海洋進出」「宇宙進出」だ。
チベット問題はじめ、多くの問題を内包するだけに
心配は尽きない。
日中関係のなかで大切なカードは「台湾」。
地政的な安全保障上、今も昔も日本にとって
「台湾」の重要度は変わりませんね。
【今後の日本外交のありかた】
王道外交をやるべし。覇道はいずれ破綻する。
中国もロシアも隣人だけに、嫌であっても
上手につきあうしかない。
以上、かなりはしょっての報告ですが、
非常に深くかつ面白い研修会でした。
いずれにせよ、
「外交」は地方政治に身をおいていても
しっかりとアンテナを高くして、
理解と現場からの実効をせねばならないことに変わりありません。
それは、歴史が明確に示しています。
やはり静岡県が”平成の薩長土肥”となって
世界の中の静岡を意識し、日本をどうするか
率先垂範してゆかねばなりませんね。
そんな静岡県議会になるようにがんばります!