菅直人新総理予定者が、新政権発足への準備を
いわば”落ち着いて”進めています。
さずが、社民連という小政党からここまでたたき上げて
登りつめただけはあるという”したたかさ”です。
「軍団」や「エリート集団」のなかで鍛えられるのも良いですが
こうして負けや屈辱を知りながら、一人で切り拓くたくましさを
身に着けながらここまできただけに、ここらへんのトップに立ったときの
切り盛りはシュミレーション済みなのかもしれません。
人ですから当然好き嫌いはありますが、
日本を託す総理大臣にたいして、いまさら好き嫌いをいっても始まりません。
菅さんも、かつて2度務めた民主党代表時代、
自分の思うようにいかないとキレてしまい「イラ菅」と呼ばれたり、
”パフォーマンスが過ぎる””思想が偏りすぎ”などと批判を受けました。
今思うと、これらも総理を担うためには良い試練だったと思って、
期待をするしかありません。
さて、いまのうちにその菅総理に注文をつけておかなければなりません。
それは、「財政」と「外交」そして「地方主権」です。
たくさん注文をつけなければならないことだらけですが、
ますはこの根幹となる三つとしたいと思います。
まず「財政」。
日本の財政は危機的状況にあります。
これは、節約だけではなんともなりません。
産業振興策を工夫し大胆に進めることは当然ですが、
「消費税増税論議」を避けて通ることはもはやできません。
新内閣発足後直ちに時間をかけての議論に入る必要があると思います。
私は消費税はもっとも公平な税制のひとつだと考えています。
しかし、問題は”持たざるもの”がより生活苦に陥るのでは
ないかという逆進性です。
これを解決するために、食品などの生活必需品等を
どこまで除外するかなどの議論と検証が必要です。
その上で、国民のみなさまによく説明をしてご納得いただき
導入するという工程を考えなければならないと思います。
もちろん消費税に限らず、税制全体の見直しも同時に行います。
この「税制の建て直し」が日本の財政にとってはとても重要な
こととなるはずです。
次に、「外交」。
これは世界の動きが早く、パワーバランスも刻々と変化しています。
出来るだけの情報開示をし、日本外交のグランドデザインを示し、
マスコミのみなさんにも「国益」のための理解をしてもらい、
日本国の舵取りをする。それがとても重要な今日この頃です。
このままでは日本は、埋没し、孤立し、滅びてゆく、
そんな恐怖感すら覚える今日の世界情勢ですので。
そして「地方主権」です。
これは時代の要請でもあるのです。
ドイツやアメリカのように連邦制で立派に成立している国は数多くあります。
地方の自立。それは新しい日本国のために必要不可欠です。
わが静岡県では、それを明確に打ち出した川勝知事という
リーダーを得て、「世界の中のふじのくに」づくりをスタートさせています。
でも、この実現には中央集権国家である日本の制度的問題が
大きく立ちはだかっています。これを変えなきゃダメなんです。
これを民主党ができるかできないか。
菅新総理の手腕の見せ所です。
いずれにしろ、期待をしたいと思います。
”期待を実感に変えて欲しい”それが国民一律の願いですから。