衆議院解散にあたり

安倍総理が21日の衆議院解散を明言しました。
総理記者会見を出先で時間がある範囲で見ましたが、やはり「?」でした。

総理は『代表なくして課税なし』と、アメリカ独立戦争でのスローガンを引用し、
「消費増税を延期するが、経済条項をはずして2017年4月には
確実に10%にするために、国民の信任を得たい。
民主党政権はマニュフェストにない消費税増税をしてウソをついたが、
私たち自民党は信を問うのだ。」
と民主党政権時代の失政ぶりをわざわざ思い出させ、
”それよりはマシでしょ”と思わせたいことがアリアリわかります。
実態のない金融・経済政策である「アベノミクス」の失敗は認めず、
2017年の消費税増税までには上向くから、という
”なんとなくの継続性への期待感”につなげる作戦がミエミエ。

さて、まず反論しておきたいのは、
『代表なくして課税なし』というスローガンは、
当時イギリスの植民地だったアメリカが、議会に代表者すら送っていないのに
課税がかけられ、さらに増税されることに反発して勃発した独立戦争であっただけに、
今回の解散理由に引用するのはまったく意味が違います。
確かに、現在の日本の財政状況、世界一の少子高齢化スピードのなかでは、
増税によって国家の土台や社会福祉をキチンとしてゆかねばならないのは
少し状況説明をすれば、だれでもわかることではあります。
ゆえに、民主党野田政権が「うそつき」のそしりを受けても増税せざるをえなかった
わけですから、ここは引用が違いますし、説明すべきことも違います。
「引き続き政権運営にあたったらば、消費税増税分はこのように使いたいので
理解していただきご信任を願いたい」という具体的プランを総理として示して
増税を語るのが本筋ではないでしょうか。
今日の説明では”まやかし”としか言いようがありません。

また、安倍政権のここまでの姿をみると、
少なくとも、この消費増税増税にかかる三党合意を順守しているとは言えず、
また、国民に信を問うていない「集団的自衛権行使容認」をよりによって閣議決定で強引に通して、
このところ湧き上った「政治とカネ」の問題や「TPP交渉」「原発とエネルギー」などの大切な
政治課題をうやむやにし、約束であった「議員定数の削減」もしないまま解散をするのは、
まさに、大義なき、自己本位の解散としか思えません。

総理の本心には、この選挙で野党が体制が整わないうちにそれなりに勝利して
(勝敗ラインを「過半数維持」と位置付けたのがまさにその裏付けです。
今の議席数からして、過半数割れはそうそう考えられない数字ですから。
計算高いとしか言いようがありませんね。)
長期政権を担い、右傾化した思想のもとでの日本政治を運営するという「裏」が
あるのでしょうから、やはり、ここは断固として戦わねばなりません。

昨日の民主党県連常任幹事会では、この選挙戦に際しては、
全選挙区に候補者を擁立して国民のみなさまに選択肢を提示することが
今回の大義なき、総理の日本政治を私せんとする姿勢に対する
野党としての務めであり、矜持でもあると総括しました。
もちろん、空白区である静岡7区、8区も擁立をします。
いづれ戦陣に立つべきとして温存してきた”カード”も含めて、
すべての可能性を秘めたメンバーのなかで的確な人選を急ぎます。
今回は勝敗に関係なく、「戦うことこそ」が、「大義である」と考えています。

最後に、このブログをお読みいただいているみなさまにお願いです。
日本の未来のために、より多くのみなさまに関心をもっていただくことが
今回の選挙の本当の意義だと思っていますので、選挙戦での訴えに耳を傾けていただき、
ぜひ熟考のうえ投票にご参加いただきたいと思いますし、この”大切な今”を
より多くのみなさまに拡散し、伝播していただきたいと思っています。

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