3泊4日の県外視察から帰ってまいりました。
「視察」は、より良い政策をつくるために
先進事例を参考にし、そのまま”輸入”したり、応用したり
するという、いわば”政策のタネ”のようなものです。
静岡県議会の県外視察は所属常任委員会で年に一度。
特別委員会でも同じく年に一度。(ただし特別委員会は
全員は所属しておりません。4年に2度くらいの割合です)
そして、それとは別に議員連盟とか有志の研究会による
独自設営のものがあります。
今回は「独自設営」モノです。
私が幹事として企画設営をしたのですが、
勉強したいテーマが多く、3泊4日で10箇所という
移動も考えたら、とにかく目いっぱいまで時間を使った
ボリュームのある視察でした。
さすがに疲れましたが・・・。
事前準備も昨年の「独自設営」のときの福岡編と同じく、
みっちり予習して、参加者からは事前資料の多さに
(重さ?)に弱音まででるほどでした(笑)
でも、その分どこでも時間が不足するくらい活発な
質問や意見交換が飛び交い充実感たっぷりです。
さて、その内容報告を順次してゆきたいと思います。
最初の報告は「能登空港」です。
石川県は小松空港とこの能登空港の二つの空港を持っています。
能登半島というところは、鉄道も半島のいわば”根元部分”まで
しかなく、主要都市である輪島市などには公共交通はバスしかなく、
JRの北陸本線の駅までまずでることが大変という地域なのです。
そこで、飛行機という公共交通のいわば”飛び道具”で、
この半島と日本の主要都市圏との距離を近くし、半島の振興と
あわせて防災機能の向上という目的をもってこの空港はつくられました。
しかしながら、建設前から「絶対に赤字」と言われ続け、
東京、大阪、名古屋便をという目論見ももろくも崩れ、
開港5年目のいまだ東京便(羽田便1日2往復)のみの運行なのです。
しかしながら、この空港のすごさは石川県や地元輪島市の努力です。
まず石川県は、空港ターミナルビルに県の合同庁舎を合設して、
南北に長い石川県の北部である能登地方の行政機能をここに集約しました。
そして、空港の隣地に日本最大の航空業界従事者養成学校である
「日本航空学園」を誘致したことです。日本航空学園については
また独自項目で報告したいと思いますが、ここには航空学校が
高校から大学まで併設されて日本の明日の空の人材を輩出し始めています。
それが生み出した効果は、”いつでも人のいる空港”であり、
(県職員と空港職員で約200名、航空学校関係者で約1300名)
3年前の能登半島地震における復興本部機能でありました。
空港規模は来年3月開港予定の静岡空港よりも小さいはずなのですが、
定期便が1日2便しか飛んでいない地方空港とは思えない活気を
平日にもかかわらず感じました。
さらに、搭乗率保証制度で航空会社との信頼関係を培い、
60%を一度も切っていないばかりか、微増をさせている搭乗率。
そして台湾とのチャーター便による空港利用の増大など
(こちらは和倉温泉加賀屋さんの努力に負うところが大きいです。
こちらも後述いたしたいと思います)
静岡空港の振興策としては参考になるものが
だいぶあった気がいたします。
まさに”種”がたくさんみつかったので、
これを静岡空港バージョンにアレンジしたりそのまま植えてみたり、と
しっかりと活かしてゆきたいと思います。