財政と政権交代

先日、警鐘を鳴らしていたとおりに
「改正道路整備費財源特例法」が成立しました。
例の「道路特定財源」を10年間延長するというものです。

これで地方には、ストップされていた道路関連の予算が
国から内示されたわけですが、現実には抗えないまでも、
きっと苦々しい思いで、この内示を受けている地方議員、
地方自治体の役人のみなさんも多々いらしたハズです。
本当に忌々しい・・・

しかしながら、民主主義の原則での多数決により
我々がいくら忌々しいと思ってもいかんともしがたく、
現在の霞ヶ関と一体化した政権に組み込まれている
自民・公明の与党議員、それにつらなる地方議員の
みなさんも、個々に「思い」がある議員はいるだろうに
この国家システムが存在している以上、
声をあげられないのでしょうね。
また、声をあげてもいたしかたないという現実もありますが。
いわば「恐怖政治」ですね。

そこで、余計大切なのが、「来る衆議院選挙」です。
本当の意味での「政権交代」と「日本の命運」がかかります。
自民党とか民主党とかどちらが良いの悪い、というような
問題ではなく、とにかく
「一度今の硬直化した国家システムをぶっ壊すこと」
そして、「国家のグランドデザインを描くこと」
を必ずしなければなりません。
その観点で、衆議院選挙での良識ある選択がおこなわれれば
よいのです。

そのために、候補者も
①硬直化したシステムの破壊
②国家のグランドデザイン 
を具体的に訴えてもらわねばなりません。

ほんの一面だけ切り取ってきたのアピールや、
若さや新鮮さだけのアピール、
おかれた立場の苦しさを訴える「お情け頂戴」や、
旧態然とした予算分捕り能力の高さだけを評価せよ、
そしてお決まりの批判合戦・・・・
なんてのは、あまりにもガッカリです。
しっかりとした、国家の次の時代を描き、
国民一人ひとりがいまなにをすべきか、
どんな責任をもって、どんな考えかたをすべきか、
どうしたら夢を描いてゆけるのか、
どうしたら安心安全が実現するのか、
それを訴えてもらいたいと思います。

そして我々生活の現場にいる地方議員は、
我々もしっかりと地方の未来像を描き、
そのために必要なコト
(たとえば、権限や税財源の委譲とか、各種組織の見直しとか)を
国会議員を通して実現させてゆくようにしなければなりません。
また、そんな候補者をつくらなければなりません。
それが、総選挙に臨む私たちのシゴトですね。

ここまでは以前も私は訴えたことがあると思います。

さて、ここからです。
グランドデザインを国も地方も描くにあたって、
本当に必要なことは、
まずは「本当の財政の姿を把握すること」だと
私はつい最近あらためて思いました。

先日、民主党の「地方自治体議員フォーラム」にて
こんな議論を致しました。

「民主党が政権を取ったらば、地方の財政をどう考えるのか。
たとえば平成3年ころから国策として地方において推し進めた
下水道事業の下水道特別会計の借金で破綻寸前の地方自治体もある。
それらを民主党政権になったらどうするのか」と質問したところ、

「新政権では、本当に必要か否かを判断することが大切。
例示された下水道特別会計については、国の責任において
処理を主導してゆくべきと考えるが、下水道の更新時期には
本当に必要性の有無や採算性など、しっかり検証する。
そしてムダならやめる。と、シンプルに考えてゆく。
で、それよりもなによりも、政権を取ったらまず日本の財政の
全体像を把握することからはじめようと思う。今現在、
日本には、この国の財政の全体像を把握している人間はいない、
と思っているので。でないとグランドデザインを描きづらい」

これは、逢坂誠二衆議院議員(元ニセコ町長)の答弁なのですが、
「見事!わが意を得たり」と感じました。
実は私、逢坂議員とは日本JCでニセコにお邪魔して
いろいろとお話しを伺い、議論をしたことがあり、
当時から「地方主権」について熱く論じておられただけに、
現場感覚をそのまま国政に持ち込んで政治をされていることが、
この答弁でよーく理解できました。
こんな国会議員ですよね、求められるのは。

かねてから私は「財務省解体論」を述べてきています。
なぜなら、財務省こそ伏魔殿であり、日本の本当の財政を
複雑かつ全体像をつかみにくくしている張本人なのだからです。

永田町での秘書時代、どんなことも最後は財務省(当時は大蔵省)
につながってゆく、というような図式に何度もぶち当たり
財務省という官庁を頂点とした、「霞ヶ関」の構図を思い知り、
永田町と霞ヶ関の関係もよーく思い知りました。
「秘書」という仕事は下積みでしたが、
地元と東京のパイプ役として、
休みなく東京と浜松を行き来しながらの15年間。
自民党の権力の中枢「竹下派・経世会」の秘書からはじまり、
通産大臣秘書、内閣官房長官秘書、そして野党に転じての
政策づくりまで実践できた政策担当秘書としての体験は、
日本の構造を思い知り、そしてこれからの改善策を
勉強するには、ほんとうにうってつけな場所であったと
最近よく痛感いたします。
また、そんな勉強をさせていただくポジションを与え続けて
いただいた熊谷弘代議士、鈴木康友現浜松市長にも
感謝の念は絶えません。

・・・余談になってしましました。
すみません。
とにかく、「財政をつかむこと」。
これが国も地方も等しくこれからの政治の仕事です。
でも、これって途方もない作業ですけどね(苦笑)

まずは、今年。
県議会議員としては、総務副委員長に任じられた
幸運も活かして、県財政をしっかりつかみます。
そして、”日本の命運を握る衆議院選挙”も
候補者教育からしっかりやらせていただいてます!

「現実を踏まえた上での未来志向とその組み立て」
これは実はとても大変なことですが、
実践あるのみです!

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