長男が夏休みの終わりころ、
ラジオ体操で近所のおじさんに
カブトムシをいただいてきました。
その数8匹。
なんでも大量に幼虫から育ててこられたそうで
ラジオ体操にきたこどもたち皆に
配ってくださったようです。
長男は、よく虫を捕まえても
いままでは数日かごで楽しんだら
「生きてるんだから自由が一番」
といいながら逃がしていました。
今回もきっとそうするんだろうと
思っていたのですが
最後の1匹が自然に帰ったのは今日でした。
実は、私もかかわって逃がそうとしていたのですが
いままで飼育箱のなかでエサを与えられることに
生まれてこのかた慣れてしまったカブトムシたちは
飼育箱のフタをあけておいても逃げてゆかないのです。
今までの天然もののカブトムシは
力づくでもフタを持ち上げて脱走していったのに、
今回の連中ときたら・・・
それでも、
メスが最初にいなくなり(カブトムシの世界でも・・・)
最後の3匹のオスは、驚いたことに
飼育箱からだしてとまらせた玄関前の立ち木周辺で
3日間もどこにも行かず暮しておりました。
結局今日、1匹がようやくどこかへ旅立ち、
残った2匹をしかたなく「外の世界を知らしむるために」
近所にあるクワガタも住んでいる大木に移して
今年のカブトムシとの生活が終了です。
しかし、
野生を失うということは恐ろしいことですね。
人間も虫もやはり厳しい環境にさらされないと
大きくはばたけないということですね。
「苦労は買ってでもしろ」ということわざが
しみじみと思い当たるカブトムシの巣立ちでした。
でも、夏も終わり彼らの寿命もいくばくもないことでしょう。
こんなに巣立ちに時間がかかるのならば、
1週間もうちの飼育箱にいるのでなく、
いただいてすぐ「自然の試練」を知り「自由」を知り
それにより呼び覚まされるであろう”野生の魂”で
たくましく生かしてやりたかったなあ、と
長男と後悔をしあった今日の親子の会話でした。