静岡県浙江省友好提携30周年記念式典

2泊3日の”弾丸ツアー的日程”で、
静岡県浙江省友好提携30周年記念式典に
参列してまいりました。

日中間の関係が厳しいなかで、地方間交流が中国サイドから
ことごとくキャンセルになるなかで、唯一招待されたカタチになった
静岡県ですので、内外の注目高まるなかでの訪中となりました。
私自身にとっても、中国サイドがどのようなメッセージが
発するのか、また一般の中国民衆が我々にどのような反応を示すのか
自分自身で確認できるまたとないチャンスでありました。

党書記に昇進した家宝龍氏にかわり4日前に党副書記から横滑りして
就任した李強代理省長の注目の挨拶では
『5400万省民を代表して熱烈歓迎します』から始まり、
『両省県の交流は地方間交流のモデルとなった。
30年の交流はここがゴールではなくスタート』
と予想範囲の挨拶のあと、
『日中間には難しい問題が存在するが、
我々は現在に立脚したうえで未来に向かってゆかねばならない』
としたうえで、
『我々は経済協力を強化し友好関係を深めなければならない。
経済やまちづくりのために静岡県関係者が今後も
大いに浙江省訪れてくれることを歓迎する』と
”経済関係”を強調されて結びました。

また、程胃山浙江省人民代表大会常任委員会副主任は
『12月25日は西洋のクリスマスであるが、東洋においても
最も重要な2カ国の、その中でも最も重要な地域の友好の絆を
確かめ合う祝日になった。日中間には問題があるが、
両省県のつながりをさらに深めてゆくことが、
両省県民、国民が求めていることであると思います』
と最大級の祝辞を述べて両省県のつながりの意義の重要さを
強調されました。

対する川勝知事は、
司会者から、”夏宝龍書記の親友”という紹介と、
日程の都合で式典は不参加の夏宝龍書記と今まで昼食懇談をしてきたことを
わざわざ紹介して、重要人物であり最大級の敬意をもっていることを
織り交ぜた紹介を受けての登壇となりましたが、
川勝知事の挨拶は誠に高尚で知と地の縁を織り込んだ内容の濃いものであり
キチンと通訳されていれば、中国側にも真心や友情が伝わったのでは
ないかと確信しています。
知事の挨拶内容の概略は下記のとおりです。

『10年前の20周年記念式典の折には、先日中国の最高権力者に就任された
習近平氏がちょうど浙江省の代理省長に就任された折であったと
お聞きした。李強代理省長も、くしくも両省県の周年にあわせての
ご就任であられる。ぜひ、この”場の力”を活かして
大きく羽ばたいていただきたい。
かつて、米中関係はととても厳しい時期があった。
それを改善させたのはこの西湖のほとりでおこなわれた
首脳会談からであった。
孔子は「知者は水を楽しみ、仁者は山を楽しむ」
という言葉を残されましたが
(知者は水が一か所にとどまることなく
流れるように物事を円滑に処理し、
仁者はよく似動かされず不動の山のように天命に安ずる)
その孔子の徳を「朱子学」としてよみがえらせたのが
ここ浙江省であり、その朱子学を国学として日本に導入したのが
静岡県の生んだ徳川家康である。
その朱子学を基本とした徳川幕府による
260年ほどの統治時代「パックストクガワーナ」は
稀なる文化の興隆と平和のを築き上げた。
このように文化と平和を創る歴史に関して、
浙江省と静岡県の関係は30年間ではなく、
こうして前々から長い縁があったと感じている。
孔子の「三十にして立つ。四十にして惑わず」の言葉通り、
ここからの10年間で、さらに文化と平和の交流を多方面で深めて
ゆらぐことのない深い絆に結ばれた両省県の40周年を迎えたいと
願っている。まずは日中地域間交流のモデルとして、
そして大きくは日中の平和、東アジアの平和を
つくってゆくことをめざして友好の絆を深めてゆきたい』
と、いうものでありました。
心に響く良いメッセージでしたよ!

・・・さてさて、
このミッションの詳細報告をしだすとキリがないので、
最後にミッション概要報告をしておきますと、
全14団体200名余のミッションで、それぞれ行程に合わせ
23日から28日の間で訪中していますが(25日の式典には全員出席)
それぞれ協定の締結があったり、交流の促進事業があったりと
充実のミッションであったと思います。

我々議会団ミッションは、
11月に開通したての杭州市地下鉄の視察と意見交換がありましたが
そのつくりやスケールはまさに日本や先進西欧諸国そのものであり、
中国という国自体の近代化は日進月歩であり、
私自身は3年前の訪問以来でしたが、
その中国の変化のスピードには驚くものがありました。
ただあまりにも日程が濃密で時間が無くて、
一般の中国人のみなさまとの対話や意見を聞けなかったのが
残念ではありましたが、この時期の日中関係において、
ごく冷静に多角的にみてもほんとうに意義深い訪中であったと、
報告を締めくくっておきます。

追伸
最近の中国都市部には「青空」がないそうな。
原因は大気汚染。
確かに私たちの滞在中にも青空はみられませんでした。
ここはかなり深刻ですね。

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