教育委員会改革について(2)公立高等学校教育のあり方
質問要旨:
人口減少社会の中、各高校が生き残りをかけて独自性を持たせていく取り組みが必要だと考える。
近未来を見据えた公立高校の在り方を、現場のニーズや自主性も重視しつつ、
明確なビジョンと戦略をもって論ずるべき時だと感じるが、教育委員長の所見を伺う。
安倍教育長答弁内容:
教育委員会改革についてのうち、公立高等学校教育のあり方についてお答えいたします。
県教育委員会では、これまで、静岡県立高等学校長期計画を策定し、
高等学校の再編整備や総合学科の設置、専門学科の改善などを実施してまいりました。
とはいえ、昨日発表された公立高校志願倍率も昨年よりも若干低下しました。
さらに静岡県の人口は前年比約2万人減の全国ワースト2位であり、県内の中学3年生の生徒数をみても、
平成29年度までは横ばいで推移しますが、平成30年度以降は減少傾向になります。
このような状況を鑑みると、これからは今まで以上に戦略的に、新たな将来計画を検討する必要があります。
計画の策定に当たっては、議員が御指摘のように生徒や社会のニーズ、公立と私立の高等学校が果たす役割等を十分に踏まえ、
人口が減少する地域の高等学校や学科の在り方、学校施設の改修や施設の計画、公立高等学校の一層の特色化など、
従来の計画よりも様々な要因を視野に入れて、慎重に検討することが重要であると考えております。
とりわけ県教育委員会といたしましては、今後、時代の要請に応え、次代を担う「有徳の人づくり」の育成を目指し、
来年度設置される総合教育会議においても十分に御議論を頂きながら、
公立高等学校教育の在り方について検討を進めてまいりたいと考えております。
阿部卓也質問要旨:
教育長に2点、再質問をさせていただきます。
高校現場からの要望・提案について、これは地域や社会環境のニーズに基づいた大切なものと思っていますが、
今までこれに積極的に応えてこられたのかを伺う。
公立高校の再編計画並びに特色化については、今、議論・検討すべき時期と思うが、所見を伺う。
安倍教育長答弁内容:
2つの再質問にお答えしたいと思います。
10年位前から、各学校長の経営をより特色化させるために学校経営予算を導入してきました。
また、昨年度からそれぞれの学校が重点的にこういう事業を行いたいというものについては、
予算的な裏付けもして、その事業を支援してきたところです。
更には、高校入試における学校裁量枠も一つの学校の要望、学校の特色化を具現化する方策だと思っています。
特色化に関連して、今、このようなことをまずはさらにすすめるべき時期ではないかと思っています。
先程の御質問の中に国際バカロレアの御提案もありましたが、
議員から我々への要望として現場本位でやってほしいとのお話がありました。
ただ、果たして今、国際バカロレアが静岡県において現場本位のニーズがあるのかどうか、
我々はニーズ調査をする中で今後、考えていかなければいけないと思っています。
あくまでも、行政というのは現場のニーズを踏まえながらも先導的に役割を果たさなければいけないと思うので、
全てのニーズに応えるという視点ではいけないと思う。
まずは、そこから把握することが必要であると思います。
再編整備計画についてですが、
御案内のとおり、第二期長期計画は平成27年度の浜松湖北高等学校の開校をもって一旦終了するが、
今後、生徒数の減少の中でどのような形で高等学校がこれからあるべきか、大所高所の検討が必要だと思います。
大きな方向性は、来年度からの総合教育会議の中で十分議論していただければありがたいと思います。