盆義理

「盆義理」これ「ぼんぎり」と読みます。
遠州地方以外のかたにはなじみのない言葉だと思います。

遠州地方では、初盆(新盆)のお宅に
「盆供(ぼんく)」と不祝儀袋に書いたご仏前をもって
お盆にお悔やみにお伺いします。
また、初盆のお宅は「遠州大念仏」を仏前に奉納するために
遠州地域に70ほどある念仏団(1チーム20人くらい)を招いて、
(地元か故人に縁のある念仏団を頼むことが多いです)
独特の郷愁に満ちた念仏踊りを催します。
これは遠州地方独特の風習で、家康が三方原合戦での死者の霊を
弔うためにはじめたのが起源といわれていますが、
同じ静岡県内のかたでもびっくりされかたが多いのです。

なので初盆宅は当然ながら出費もかさみ、
他地域のかたには理解できないかもしれませんが、
遠州地方では葬儀を2度おこなうようなものなのです。
当然、葬儀に参列されたかたは盆義理にも伺いますし、
葬儀に参列できなかったかたも、
「お盆にお悔みに伺って義理を果たす」という意味でも
盆義理を欠かしません。
ゆえに、遠州地方ではこの盆の二日間は「盆義理渋滞」まで
発生するほどなのです。

ということで、私もこの二日間「盆義理」です。
お世話になっているかたがたが多いだけに本当に軒数が多く
大変なのですが・・・(汗)

この「遠州大念仏」は富山の「風の盆」に劣らぬ
独特の郷愁を誘う音色と念仏踊りが見るものの魂を揺さぶります。
6月議会で私が提案したのは、この風習と文化を守り育て、
また広く全国のみなさまにも知っていただくために、
「遠州大念仏プロジェクト」を県でやってゆこう!
というものです。

『お盆には古きよき日本に会いに浜松へ盆義理にいこう。』
そんな言葉が交わされることを近い将来実現してみたいと
思っています。

そんな夢を描きながら、盆義理に出かけたいと思います。

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