今日は恒例の猟友会主催の野生鳥獣慰霊祭が行われました。
これは、毎年駆除された鳥獣の霊を慰めるために、
浜北の古刹岩水寺地内にある慰霊塔の前で供養がおこなわれているものです。
近年とくに、県内各地でのシカやサル、イノシシなど有害鳥獣による
農林産物の被害が相次いでおり、人間との共生ならず、
不幸にも命を奪うことになってしまった野生鳥獣の慰霊をこうしておこなうことは、
せめてもの手向けであり、猟友会のみなさまにとっても、
たとえ鳥獣であっても「命を奪う」ことに対する懺悔として
とても大切にしておられる慰霊祭であります。
猟友会のみなさまにおかれましては、
日頃よりほんとうに大変なご苦労をいただいておりますことに
こころからの敬意を表するものであります。
今日は、慰霊祭だけでなく、猟友会のみなさまから直接現場のお話をお伺いできる
貴重な機会でもあり、猟友会を構成するみなさまの高齢化のこと、
射撃場の不足などで練度があがらずどうしても不慮の事故がおこってしまうことや、
銃刀法の強化による銃の管理の大変さや、それによる若手の敬遠などもあって
狩猟人口の減少している反面、有害鳥獣の増加で出動要請の激増など
多くのお悩みをお聞かせいただける貴重な機会でもありました。
先週開通した新東名高速道路では、
山間部を貫通してゆくだけにある程度の予測はされていたものの
開通1週間を待たずして、すでに20件ほどの野生鳥獣による交通事故が
発生しているそうでありますし、いまや、ヨーロッパで成功事例のある
「オオカミを復活させシカの増加を食い止める」プロジェクトすら
検討されるようになり、県内だけでなく日本全国での有害鳥獣の駆除問題が
クローズアップされるようになりました。
今日の慰霊祭はいろいろ考えさせられるよい機会でありましたが、
『ひとと動物との共生』という、尊厳にかかわる大きなテーマだけに
今後もしっかりと向き合って考えてゆきたいと思っています。