特定秘密保護法成立

忸怩(じくじ)たる思いとは、まさにこのことであるかもしれません。

私は、昨夜成立した特定秘密保護法は「とりかえしのつかないコト」に
踏み込んでいる可能性があると感じています。

今国会に急浮上したこの法案。
私も必要性は認めます。・・・でもしかし内容には疑問を感じます。
もともとは、アメリカをはじめ世界から「日本は情報管理が甘い」という
指摘を受けてきたなかで、日本版NSC(国家安全保障会議)を立ち上げ
運用してゆく上で必要ということで、一気に力押しした感がありますが、
本来は民主主義の根幹にかかわる問題をいくつも含んでいるだけに、
もっとじっくりと議論が必要だったと痛感しています。

ただ、今の国会の勢力バランスでは、そんな健全な議論は無理だったのですが・・・。

この法律により、「国家権力」が場合によっては一個人の生殺与奪の権を、
好きなようににぎることができるようにもなりかねません。

自民党政権は、今政権にいるからそんなことは考えないのかもしれませんが、
万が一、かつてのナチスのような性格をもった政党が日本で政権を握ったらどうするのか。

「一度保護対象に指定したら60年」とか「政府の権限で廃棄」とか
国際標準からしてもゆきすぎな内容も目立ちます。

また、秘密を取り扱うとされる人間は、渡航歴、ローン、健康状態はもとより、
飲酒の際の節度、経済的状況、家族、親しい関係者などまで徹底的に丸裸になります。
これで、日本の官僚は”ひきこもり”にならないか心配してしまいます。
怖くてだれともコミュニケーションがとれない、となると
世界でなにがおこっているか、現場でなにがおこっているか、
それを肌でかんじることができなくなります。
ネット情報はあふれていますが、そこには手触り感も、皮膚感覚も存在しません。
これは、人間の業をつかさどる政治や行政にとっては命取りなのではないか!?
私はそう心配しています。

この法律は「必要悪だ」というかたもいらっしゃいますが
そう言い切るためには、1年後とされている施行までの間に、
今後できるだけの議論をしてチェック機能、機関を
しっかりしたものにするしかありません。
さすがに、そのくらいは”なにがなんでも数の力で力押し”した
国会議員のみなさんにもわかるのではないかと思います。

民主党の国会議員のみなさんも、ここでがんばっていただかないと
存在意義がありません。成立してしまったから終わりではなく
しっかり戦っていただきたいと思いますし、地方からも突き上げたいと思います。

忸怩たる思いの中で、今できることをしなくては、と感じています。
どうか、みなさまもご自身が主体的にお考えいただくべき問題だと思いますので、
この機会に、ぜひじっくりこの事態を注視されて、お考えいただき、
周囲のみなさまと話し合っていただきたいと思います。

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