選挙区再編について

静岡県の選挙制度改革特別委員会において
次期統一地方選挙の選挙区割りについての審議が始まりました。
各会派ごとに改正案を提出しての議論ですが、
民主党・ふじのくに県議団は、大義ある意欲的な改正案を提出しています。

選挙区の1票の格差を2.0以内にすること。
政令市の定数削減など、定数を5つ減らした提案で、
ほとんど現状維持に近い他会派に比べるとかなり踏み込んだ提案です。

私の選挙区も、
浜北区・天竜区の合区により定数は3から2に減らすという”身を切る提案”です。
私の場合は、天竜区には熊谷弘先生の秘書として大変お世話になった地域であり
「ご恩返しをしたい」という思いが強い地域ですのであえて”個人的に”受け入れました。
他の選挙区についての提案も、熱海市と伊東市選挙区の合区など
同僚議員が個人的に”身を切る提案”を受け入れています。

”個人的に”と強調しているのは理由があります。
選挙区割りを一度変えてしまうと、当然ながら戻したりまたいじったりは難しく
公正に考えると疑問が残ります。今回は、私が了解したとしても
私が永遠にこの選挙区から政治家をやらせていただくわけではありません。
そう考えると、”私の一存で決めてしまっていいのか?”という疑念に襲われます。

私の”政治家のあるべき姿”としての持論は、
『政治家は、一時的にみなさまから議席と政治家としての権限をご負託いただくわけですが、
その権限や権力というものは、はからずも弱い立場に陥ったひとたちや、
弱い立場に陥った地域のためにまずは行使するべきものであって、
わざわざ強いところに、その権限を行使すべきものではない』
というものですが、そう考えたときに疑念に襲われます。

行政の基本的考え方というのは「平等・公平」ですので、
たとえば、人口比とか面積比とかは関係なく、「一律」に行政権が遂行されます。
ただし、そのなかで過疎地域への配慮や、高齢者急増に伴う配慮は必要になり、
そんなときにこそ調整機能としての政治力の行使が必要となります。
ゆえに、ただ単に「一票の格差」とかの書類上の数値や、
人口比だけにこだわる選挙区制度そのものに疑念を持たざるをえません。

返す返すも感じるのは、
議員定数の是正、選挙区改編などを議員が議論してはダメだと思います。
議会の選挙制度特別委員会メンバーも、当然のように各会派の議員であり、
結局さまざまな思惑が入り込むことになるので、第三者で構成すべきと痛感しています。

また、議員任期は4年もあるのに、なぜ任期の3分の2が終わるころになって
ようやく具体的な議論に入ること自体に「?」ですね。
また、今の人口比選挙制度だと、静岡県の場合どうしても2つの政令市選出議員の比率は高くなります。
その政令市選出の県議会議員のありかたについての議論も本格的にすべきですし、
浜松市では区再編議論が続いていますので、その議論との整合性や連携も必要です。
そんな本質論がない制度改革にはずっと疑問を持ってきました。

こんなことを書くと、「自分のための保身か」とかいらぬ批判をされそうでしたので
いままでブログにも書くことはなかったのですが、
今回は議論のありかたそのものに疑義はありますが、
”身を切る提案”をしているので、あえて意見を述べておきます。

公正な第3者に、トータルに政治のありかたを議論いただいて、
有権者のみなさまのご納得を得て、気持ちよく、
存分に大義をもって政治をやらせていただきたいなあ、
と思う今日この頃です。

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