先月は出張が多かったので、電車の移動時間を使って、
久しぶりに柳田國男の「遠野物語」をじっくり読む機会をえました。
学生時代、もしかしたら小学校高学年くらいで読んだ記憶がある程度なので
かえって新鮮な思いで読み切りました。
柳田國男先生が、
日本の民俗学の権威といわれる由縁となった書物であるだけに
江戸期から明治初期にかけての遠野地方の伝承に、
さまざまな想いを巡らせることができました。
河童や山男、キツネやサルの化け物、オオカミ、クマ、
そして、オクナイサマという不思議な神様、
ざしきわらし、大入道、雪女、山姥、天狗などなど、
まさに妖怪まで多彩な登場者があります。
一方で、かつての日本社会の闇とでもいうような事象、
間引きや姥捨ての類、親殺しなど、これもまた民俗であろうな、
と思われる伝承も含まれます。
あらためて、日本についていろいろ考える機会になりました。
まだ、読んだことのないかたにはご一読をおすすめします。