3 改正された「公共工事の品質確保の促進に関する法律」についての県の対応
質問要旨:
一昨年、浜松市春野町で地すべり災害が発生したが、地元建設会社が迅速に対応し、突貫工事を行なった。
この対応で、昨年末の11月に全国防災協会から「災害復旧及び災害防止事業功労者表彰」により、天竜建設業協会が全国表彰された。
このように、災害時に地域の安全・安心を守るのは地元の建設会社であり、東南海、東海地震などの自然災害が予想される本県では、
特に地元建設企業の役割は重要であり、それぞれの地域に技術力とマンパワーを持ち、
災害時に即応できる建設機械等を備えた企業が存続できる環境が重要である。
昨年6月、品確法の一部が改正され、発注者の責務として、建設企業が適正な利潤を確保できるよう、
予定価格の適正な設定を行なうことが明確に規定された。
さらに、この法改正の理念を現場で実現するため、先月30日、品確法運用指針が策定され、
各発注者が「必ず実施すべき事項」に、「予定価格の適正な設定」や「歩切りの根絶」が掲げられ、
建設企業が確実に適正な利潤を上げる環境の整備を、県や市町が確実に行なうことが求められた。
県は、こうした要請に対し、県内建設企業の適正な利潤の確保についてどのように取り組んでいくのか伺う。
また、何よりこれが地域の建設企業の保全に重要であるが、県内市町との認識の共有についてどのように取り組んでいくのか伺う。
野地交通基盤部長答弁:
改正された公共工事の品質確保の促進に関する法律」への対応についてお答えいたします。
地域の建設企業は、社会基盤の整備や維持管理を行い、災害時の県民の安全・安心を確保するとともに、
雇用を創出する産業として、重要な役割を果たしております。
県では、建設企業の健全な発展のため、施工者が適正な利潤を確保できるよう、
予定価格の設定に当たっては、国に準じた積算基準や労務単価、資材等の取引価格の適用など、
市場の実態を的確に反映した積算を行っており、市町に対しても活用していただけるよう示しております。
また、過疎地域においては、技術と経営に優れ災害時にパートナーとして活動できる建設企業を育成し存続させるため、
地域の建設企業に限定した入札を、平成24年度から実施しており、さらに拡充を図ってまいります。
今回の改正品確法の運用指針では、県や市町が行う発注事務について法令に基づく適正な執行を図るため、
国が定期的な調査を行い、結果を公表することとしております。
また、県では、今月10日に市町とともに設置した「中部ブロック発注者協議会静岡県部会」において、
発注者間の情報共有を行い、事務が適切かつ効率的に実施できるよう連携や調整を図ってまいります。
さらに、歩切りにより予定価格が設定されている市町については、早急に歩切りの根絶が図られるよう強く働きかけてまいります。
県といたしましては、市町や関係団体と連携した取組により、将来にわたる公共工事の品質確保と、
地域維持の担い手となる建設企業の継続的な育成・確保に努めてまいります。
再質問質問要旨:
知事は、建設業審議会を復活させ、県内建設業のあるべき姿と健全性、
そして防災先進県としての建設業の重要性を議論・検討されてきました。
今回の品確法改正は、その集大成として健全な発注と受注、健全な経営環境づくり、
そして何よりも防災上必要な建設業の保全をできる大きなチャンスだと捉えています。
ここで一番肝要なのは、県内市町との連携です。この県内市町との連携について、
知事として、今こそリーダーシップを発揮され、
市町によってばらつきがでないようにしてゆく時だと感じますが、御所見を伺います。
川勝知事答弁要旨:
仰るとおりだと思っておりまして、
まだまだ市町によっては品確法改正の趣旨と防災先進県としての静岡県のスタンスをご理解できていない市町があり、
リーダーシップの発揮が不十分であるという御認識がそのような御発言になったのかと存じますけれど、
市町と連携をして地元の建設業の存続、また発展を図っていくというのは、私の基本的な姿勢でありますので、
今後十分に指導につとめてゆきたいと思っています。