裁量枠のより効果的な運用
質問要旨:
静岡県の入学者選抜における「裁量枠制度」では、公立高校93校中の78校が、
文化的・体育的活動などを重視した、希望者を対象とする裁量枠を採用しているが、
この裁量枠については、現状として個性の伸長や高校の特色化には寄与していないと考えます。
裁量枠の部活動に偏りをつくり、それに指導者や外部コーチの配置を連動させ、
高校部活動での集中強化を図るべきである。また、同時に競技人口が少ないスポーツに関する
部活動の設置校を増やし、野球などは、思い切って一部の高校に集約化する思想も必要ではないか。
この考え方は文化系の部活動にも当てはまる。
このように、高校の特色化、指導者の育成、生徒の個性伸長を戦略的に考え、
人事とも連動させたうえで、裁量枠の行使を運用していくことが、
より的確な裁量枠の活用方法であると考えるが、教育長の所見を伺う。
答弁要旨: 教育長
制定後8年が経過する入学者選抜における学校裁量枠の制度は、
現在では約9割の県立高校で適用され、静岡県の高校入試制度の大きな特徴となっております。
実際には、ほとんどの高校が文化的活動、体育的活動を重視した、
希望者を対象とする学校裁量枠を設定する中で、同一地域の多くの高校が
野球、サッカーなどの同じ種目を設定したり、一つの学校が多数の種目を設定したりするなど、
運用に偏りが見られております。
また、学校裁量枠の実施種目に適切な指導者が配置できているかなど、
検証すべき課題もあると認識しております。
そこで、県教育委員会では、本年度、高校及び中学の校長など
教育現場の代表者で構成する検討組織を設置し、学校裁量枠の効果を検証し、
種目設定や選抜割合などの運用の見直しを検討することとしております。
今後、県教育委員会といたしましては、学校裁量枠が本来の趣旨である
生徒の個性の伸長や高校の特色化に資するよう、学校裁量枠のメリットを活かした生徒募集や、
教員の効果的な配置と外部指導者の活用を図るなど、学校裁量枠の的確な運用に向けた改善に
取り組んでまいります。