沸騰水型の原子力発電所として建設され完成。
しかしながら稼働直前の国民投票で僅差で「NO」の結果がでて断念。
その後再度国民投票に付そうとした折にあのチェルノブイリの事故が起こり、
その後法律で永久稼働しないこと、オーストリアの原子力発電の禁止が決められた
という数奇な運命を持つ世界唯一の「未稼働のまま廃棄された原子力発電所」。
現在は、同型の炉がドイツにあったため未使用の部品を2005年まで売り続け
その後EVN社に払い下げされ、送電設備などを活かし太陽光発電所として稼働している。
また、工科大学と協働して、世界唯一の原子炉内にも立ち入れる施設として
原発施設の実習研究施設としても世界から研究者や技術者が集まっている。
コンピュータやクレーン実習、また世界的に直面する原発廃炉のための実習施設
として活用価値は高い。今後、日本の原発も廃炉時期が否応なく訪れるだけに
炉型の違いはあるにせよ、廃炉手順確認だけでも大変有効な機会を得られると
実感いたしました。
実際、原子炉の内部や、プールの内部、各種配管、発電プロペラ、
フクシマで溶け落ちているであろう原子炉炉心下部の様子などを
直接自分の足で入り、手で触り、観察できた、また直接質問をできたということは
大きな経験と財産になりました。
世界中でここでしかできない視察だけに、これぞ“ザ・海外視察”であったと
痛感しています。ほんとうに勉強になりました。
また、多くの写真を撮らせていただいたので、
原子力の技術者だった弟に見てもらってしっかり検証しておかなければ
と思っています。
そのうえで、今後の浜岡原発のありかたや、いずれくる廃炉の際のチェックにも
大いに参考にしたいと思っています。