スイス訪問のもう一つの大きな目的がここです。
まさに日本でも中間貯蔵施設のありかたは議論の真っ最中であり
浜岡原子力発電所でも乾式キャスクによる中間貯蔵施設の建設が
予定されていますので、とても意味深い視察となりました。
ただし、施設内での一切のメモおよび撮影の禁止を申し渡されたので、
記憶のみの報告となりますのでおぼつかいないところもありますので
そこはご容赦ください。
ヴェーリンゲン中間貯蔵施設は、チューリヒ近郊保養地のバーデンにあります。
スイスには5基の原子力発電施設がありますが、うち4基分の使用済核燃料など
高濃度放射性廃棄物の一時保管施設として2001年に建設されました。
同施設は、スイスにおける原子力関連の各種研究施設や規制官庁などでつくる
「パウル・シェラー研究所(PSI)」の一角にあり、あまりに一般市民の
生活地域に近く、さらには日本の原発のような厳重警備もなくて、
まずはそれにびっくりしました。
余談ですが、スイスはご存知のように永世中立国です。
ただし、平和と中立を守るために国民皆兵制度があり、
兵役登録された各家には武器があり、地下には核シェルターがあるという国です。
ゆえに、原子力に対して寛容ということもあるのかなあ(汗)とも感じた次第です。
施設は整然としており、厳重な密閉式の防護施設になっている様子。
乾式キャスクは、フランス製とドイツ製の2つがあり、ガラス固化してあるものと
していないものに分かれていました。(おなじところにはおいてありましたが)
「ガラス固化はどこでおこなっているんだろう?」
「装填はここでしてるみたいだけど、どのように?」
とか聞きたいことも多かったのですが、言葉の壁もありままならず
かなり消化不良のままデス・・・
トレーラーでの輸送サイトも中間貯蔵保管室に隣接していて、
日本の原子力関連施設を知る者からみると意外性の連続と、不安感の連続でした。
防護服着ていない作業服のかたがたが、我々と出くわしたことにびっくりしながら
核廃棄物マーク入りのドラム缶運んでるし・・・
『それはなに?』と英語で聞くと、『危険だから近づくな!』と
言われるし・・・(汗)
そんなことに気を取られて、説明の英語とドイツ語に集中できず、
理解しきれないところもあり、ここは再度もっと時間をとって
視察をさせていただきたいと感じる施設でした。
個人的には、不完全燃焼デス。
ここはもっと勉強したかった。が、もっと事前の専門的な研究が必要な
こともよーくわかったことは大きな成果です。海外の手法や常識を知ることも
原子力発電所の今後のありかたや原子力という科学そのものの理解を
深めることができるということも、あらためて感じました。
もう少し、しっかり勉強して出直しです。
ここに来るには、ドイツ語ないしは英語と原子力の専門用語の
勉強をされてからこられることをおすすめします。
・・・出口の被爆計測装置通るのが日本人的には心配だった視察でした。
(計測結果は良好でしたが・・・)