今年、先方からの申し入れがあり静岡県が友好提携を結ぶこととなった
イタリアのフリウリヴェネチァジュリア州への訪問です。
「ヴェネチア」と入っていますが、都市の「ヴェネチア(ベニス)」
のあるところではなく、その東隣の州です。わかりづらいですよね(笑)
州都は「トリエステ」ここは、かつてはオーストリア領で、
オーストリア・ハンガリー帝国によって建設された貿易港です。
コーヒー好きなかたはご存知のエスプレッソの「illy」の本社は
ここトリエステにあります。
さて、肝心の会談ですが、先方は同州の観光促進センター長の
マルコ・トゥーリオ・ペトランジュ氏、
歴史ある自転車のレース「カルニアクラシック」の実行委員長である
カイネロ氏が出迎えてくれ、さまざまな今後の交流のありかたについて
意見交換を行いました。
この友好提携のおはなしは、イタリア大使館を通じて突然もたらされたもの
であっただけに、先方の意図も知りたいというのが今回議会としての
議員団派遣にもなっているわけで、長時間にわたり様々な意見交換が
なされました。
もともとは、同州にあるイタリアを代表する山である「ゾンコラン山」と
「富士山」の提携という観点からの発想だそうで、まずはイタリアでは
国技ともいえる自転車を通じての交流を目指し、今年8月の「カルニアクラシック」
にはさっそく静岡県から10名の方が参加しています。そして来年10月には
静岡県で自転車大会を開催する予定になっています。
また、10月に川勝知事が訪問して静岡県と同州が結んだ友好提携は
なんと!期限付きでして、この期限内にさまざまな交流メニューを根付かせよう
という、実に現実的に仕事をしてゆこうという内容のものです。
驚いたことに、イタリア側はすでに州の予算化ができており、
前述の来年10月の静岡県訪問団は同州の空港から静岡空港にチャーター便を仕立て
自転車だけでなく、食品や産物の紹介フェアも計画したいという積極的な姿勢です。
また、2019年のラグビーワールドカップや2020年のオリンピックの際の
イタリアチームの合宿地誘致への協力体制や、清水港とアドリア海を代表する
トリエステ港との提携、かつて大地震に見舞われたことがある同州と静岡県との
地震時の協力体制の構築など、川勝知事が話し合っていった事項についての
確認や掘り下げができた、良い訪問となりました。
今後、静岡県側もこの話し合いの結果を受けて、議会での議員連盟の設立など
どのような体制作りが必要かを帰国後話し合ってゆくこととなると思います。
なんにしろ、「地域外交の展開」がこうして大きく展開をしてゆくことは
静岡県の未来のために大きな力になるであろうことを、しっかり実感できた
イタリア訪問となりました。