毎月第1土曜日17:00~17:30で生放送、
浜松のコミュニティFM局のFMハローにて
『きいちゃえしずおかの政治』という番組をもう2年半やってます。
最近はラジコなどで全国どこでも聞いていただけますので、
ぜひ聞いてくださいね。
さて、今日はそのラジオ出演日でした。
今日はトータルで第32回。
今日のテーマは「デザインのちから」でした。
”政治にデザイン?”
と、思われる方いらっしゃるかもしれませんので、
少し解説しておきますね。
また今日の放送でも、生放送だけに時間の制約があって
少し最後のまとめが話しきれなかったこともあるので・・・(笑)
デザインとは、「造形」や「色彩」、
または「斬新さ」を指すだけのものではありません。
いま、デザインが持つ意味は急速に変わりつつあります。
デザインには「社会を変えてゆく力」「生活を豊かに変えてゆく力」があります。
製品のデザインや、商業における商品陳列デザインなど、
すでに“デザインは付加価値にすぎない”という考え方では通用しない、
デザインのちからを普遍的に理解し活用でする時代になってきています。
デザインをただの付加価値ととらえていて、
“デザインはデザイナーがやればいい”という考えは、もはや時代遅れです。
デザインを普遍的に意識するという意識改革をしないとダメです。
“ひとりひとりがデザイナーであるべきことを自覚すべき時代”
「デザイン的思考」の時代がきているのです。
その「デザイン的思考のススメ」についてですが、
人間は、造形デザインや色彩のデザインから、なにかを感じて、
自分に変化がおきることがあります。
でも、その感じることや変化はそれぞれ違います。
では、カタチや色の持つ力を引き出すのはなにか?
それが人間の持つ「感性」だと思います。
近年、IOTやAIなどの進展は著しく、
ビックデータをもとに超数学的に考えることが一気に進展しています。
その技術革新は大切で、今後人間社会でも欠かせないものになることは
疑いのない事実ではありますが、私はイノベーションは、
データだけではおこらないと私は思っています。
人間それぞれちがったかたちで持っている「体験」や「経験」、
そして「感性」「感覚」のチカラがとても重要だと考えています。
「デザイン的思考」とは、
そんな人間の潜在力を引き出す「デザイン力」を使って、
「空間デザイン」や「都市デザイン」をしたら、
わくわくするようなものができます。具体例を紹介すると・・・
人間が幸せに感じることのひとつに、「心地良さ」と「使いやすさ」がありますが、
デザインがそれを引き出している実例はたくさんあります。
有名なシンガポールのマリーナベイサンズホテルの屋上プールご存知ですか?
あれ、「インフィニティ・プール」と言いますが、
スリランカのジェフリー・パワという設計師が考え出した空間です。
借景(空ないしはシンガポールの都市景観や夜景)にむかって
シルクのようになめらかに、丸みを帯びて、やわらかくあふれだす水。
あこがれをよぶ光景です。
色。日本の色は500種類もあって、みんな名前がついています。
青だけでも「瑠璃色」「紺碧」「桔梗色」「てんだんせい」などなど・・・
日本の画家は北斎や尾形光琳などに代表されるように、
その色を繊細に使い分けることによって、さまざまな表情や表現を映し出しました。
世界が認める日本の絵画の深みの秘密のひとつに色の多彩さがあります。
また、日本の建築様式は自然光を計算にいれた障子や欄間など
技巧にすぐれているだけでなく、使いやすさも考えています。
「雪見障子」などはその典型ですね。
最近の静岡県の公共建築にはそんな「デザインのチカラ」を
活用し始めています。
静岡市にある、「このはなアリーナ(草薙体育館)」は
木をふんだんに使った建物であるだけではなく、
使いやすさと居心地のよさを追求したつくりになっています。
また、昨年完成した富士宮市の「富士山世界遺産センター」は、
浅間神社の鳥居のそばにあり、富士山という最高の「借景」と
「最新技術」と「建築デザイン」を融合させたすばらしいセンターです。
いずれも、ぜひいちどご覧になってみてください!
今後は、もっと身近なまちづくりにも「デザインのチカラ」を持ち込んで、
道路や歩道、公園の整備、古民家の再生事業など取り組みたいと思いますし、
「デザイン的思考」という思想をもって教育、ひとづくり、社会づくりにも
取り組んでゆきたいと思っています。
デザインのもつチカラとは、形あるものだけにおよぶものではなくて、
こころにも響くチカラがあります。
ゆえに、デザインには「社会を変えてゆく力」「生活を豊かにする力」が
あると私は考えているのです。
これからも、どんなデザインをしてゆけば「共感の連鎖」が生まれるか。
それをテーマにして、これからも政治に取り組んでゆきたいと思います。
【追伸】
・・・このデザイン的思考をもっともっと進めたものが、
「コミュニティデザイン」などにつながってゆくのですが、
すでにかなり長文になってしまったので、
そのお話はまたの機会にしますね。