県立高校の視察を順次していることは先日ご報告したと思います。
6月議会も終了したので再開。ただし1学期もあとわずかですので、
今学期は最後の視察になりそうですが気賀高校に行ってまいりました。
最近、明治大学教授の斉藤孝さんの「教育力」という本を読んだのですが
これがとても秀逸で勉強になりました。
「教師」という教える立場からの検証をご自身の体験や、
吉田松陰、福沢諭吉やニュートン、はてはイチローなど実在の人物の逸話も
織り込みながら、「教育する力とはなんぞや」を解説してゆくのですが、
私が一番こころにささった言葉は、まえがきにあった
”「あこがれにあこがれる関係づくり」こそ教育の基本だ。”という一文。
”新しい世界にあこがれ、燃えて学んでいる人は、魅力を放っている。
その人の「あこがれ力」に触発された人は、自分も学びたくなる。
教育の基本は、学びあい刺激しあう友情の関係だ。”
(岩波新書「教育力」 斉藤 孝 著より抜粋。)
「教育」とは、教える側と学ぶ側だけでなく、
「共育」つまり「ともに育つ」場所でもあり、
熱意や情熱が伝播してゆく場所でもあるんだと再認識した一冊でした。
そんな思いの再認識のなかでの、気賀高校の視察でしたが、
俗に言う「周辺校」の悩みがどうなんろう、と心配していたのが
ふっとんでしまう活気を感じることができました。
授業では、「勉強は愉しいです。」と簿記をせっせと書き込んでゆく
生徒やキャリア教育の一環か「民事訴訟法」を論じる生徒がいたり
生徒会の熱意とチャレンジスピリット旺盛な、ほんとうに
「あこがれにあこがれる関係づくり」ができてるんではないのか、
と実感するような、表情の明るい生徒が多いことが印象的な学校でした。
校長先生には諸般のお話をお伺いいたしましたが、
戦前戦中の比較と現代教育の現状を鋭く解説いただき
教育における格差問題等々非常に面白いディスカッションが
できた実りの多い視察となりました。
「学ぶことは、愉しいことだ」
と、こどもたちが自ら思えるような環境をつくることも
大切な「教育」のミッションです。
これからもこうして「現場」にはなるべくいたいものですね。
ホントに「現場」に学ぶことは多いので。