ふじのくに県政報告2018年特別号のインタビュー記事テキスト版です。PDF版は下記よりご覧下さい
ふじのくに県政報告2018年特別号PDF版

県議会議員勤続10年表彰

阿部さんは昨年12月に静岡県議会議員勤続10年表彰を受けられましたね。おめでとうございます。この10年間を振り返ってどんな感想をお持ちですか?

ありがとうございます。ますはなによりも、今日までご支援ご指導をいただいた大勢のみなさまにこころからの御礼を申し上げたいと思います。そのうえで、政治家という職業を理解してくれている家族にも感謝をしたいと思います。

そうですね。政治家はこ自分の思いだけがあれば、できることではなく、選挙で多くのみなさまからのご負託をいただいてこそですからね。

はい。おっしゃるとおりです。これまでの10年間それだけは忘れず、県民のみなさま本位の生活者目線での政治をつくろうと心がけてきたつもりです。まず基本として生活の中にある課題解決には精力的に取り組んできました。また、政治家は「夢を創る仕事」でもあると思っていまして、常に未来志向で、創造的な政策提言を繰り返してきたつもりです。

誰のための、何のための政治か?

現在、国政では野党のバラバラ感がひどいですね。静岡県の民主党・民進党でがんばってこられた阿部さんはどんな感想をお持ちですか?

厳しい質問をいただきましたね(苦笑)。国政は本当に心配ですね。ただ、私の政治家としての基本はさきほども申し上げたように、「誰のための政治か」ということですので、その意昧では「県議会議員は静岡県を良くしなさい」というご負託をいただいて、政治をやらせていただいているのであって、政党のために政治をしているわけではありません。そこはハッキリと区別しておきたいと思います。

おっしゃるとおりですね。阿部さんは政党の比例票で当選しているわけではないので、政党政治の国会議員とは違いますし、逆に「地方議員は地方のために」という立ち位置が正解だと感じます。国政政党の下請けをするための地方議員さんではないですからね。

おわかりいただけてうれしいです。いままで、「政治は信で成り立つものだから、筋を通さないといけない」と頑張ってきましたが、ここまで国会議員のみなさんが迷走を繰り返されると、さすがにうんざりしてしまいます。なにより理不尽に感じるのは、国で問題を起こしても、現場で怒られたりするのは、なぜか我々なんですよねえ(苦笑)

そうですね。地方議員さんは生活現場のために頑張っているのに、国会でのゴタゴタに巻きこまれる格好で、悪く言われるなんておかしいですね。確かに理不尽この上ないですね。いまや、国の政党政治はまじめに地方政治をやる上での障害になってしまっていますね。

地方主権の実現に向けて

私の政治家としての大きなミッションは「地方主権の実現」です。 これは、わかりやすく言えば、日本の国家財政は借金を将来に付け回ししている状態で、すでに中央集権国家としての地方への責務を果たせなくなっています。具体的に言うと、国が地方に渡すべきお金が渡せないので、地方は「臨時財政対策債(臨財債) という借金を国に無理矢理にさせられています。

これは『とりあえず地方で借金しといてよ。あとで返すからさ』というのと一緒ですが、いまのところ国はちっとも返してくれなくて、おまけに地方はその臨財債の利子まで払わされていて泣き寝入りしている状態なんです。ひどい話でしょ。

ひどいですね!悪質な金貸しのような仕打ちですね。これは、地方議員のみなさんは黙っていてはだめですよ。

そのとおりです。だから、地方が自立してゆく道を探ってゆくことを、地方政治家として考えてゆくことが大切なんです。わかりやすくいうと江戸時代の封建制度の藩のように、各藩が特産物を創り出したり、財政改革をして、自分の足で立てるように努力をしなければなりません。画一的な日本をつくろうとした中央集権体制から、地方の特性を活かした多様性を伸ばす地方主権体制への変革を模索しなければ、この国の末来はないと思います。明治維新の逆みたいですね(笑)

ぜひがんばってください! 阿部さんは中央政党に振り回されるのではなくて、本当の意味で静岡県の未来と日本の未来を考えていることがよくわかりました。

この10年の静岡県を振り返って

あらためて、県議会議員を10年やってみて静岡県は変わりましたか? また阿部さんが変えることができましたか?

もちろん「自分が静岡県を良くするんだ!」という強烈な決意をもって最初の選挙に臨み、県議にしていただき、2期目3期目のいわゆる「業績評価」をしていただく意味での選挙でも当選させていただいてきましたので、10年間変わらぬ熱い想いと行動が、静岡県を「少しは良くできている」とご評価いただけてるのではないかと思います。

その前提でお話しますと、最初の2年間の石川前知事のもとでの官僚的な静岡県のありかた、国に追従する自主性のなさと閉塞状況に失望感を覚え、私自ら中心となって川勝平太知事を誕生させたことで、まちがいなく「変化」は生じたと思っています。川勝知事は”隠しているものを全部机の上に出せ”というオープン化から始めて、「静岡空港問題の正常化と

空港経営にメドをつけたこと」「富士山の世界遺産登録の実現」「移動知事室など生活現場から政策を組み立てる姿勢の確立」「ふじのくに静岡の世界への発信」など、アグレッシブな県政を取り戻し、時にはハレーションもおこしてきましたが、静岡県を活性化させてきたことは間違いがないと感じています。

そうですね。「ふじのくに」という呼称の発想や「地域外交」「内陸フロンティア」という発想・着眼は川勝知事ならではですし、「場の力をひきだす」という川勝知事のこ指摘は、私たちが、生まれ育ち住み続けているから実は見過こしていた「静岡県のすこい潜在力」に気が付かなかったことを教えてもらった気がします。

そうでしょ。県議になって2年、”ますはトップに破壊力と創造力を持った人を据えなければダメだ”という想いで無我夢中になって口説いた川勝先生ですから、これくらいのことをしていただかないとね。破壊力も創造力も予想以上でしたけどね(笑)

でも、阿部さんは川勝知事を誕生させただけではないんですよね?

もちろん。それでひと安心では全くダメですので、川勝県政の血となり肉となる提案を、次々と、個人としても会派(ふじのくに県民クラブ)としてもし続けてきました。(※裏面参照)また、静岡県の枠にとどまらす、国内外の各種研究機関との連携や政府・地方政府との多面的な交流を実現させてきました。これは、地球という大きなフレームの中で静岡県のありかた、現在の県内企業群の発展のために、また新産業を興していくために、そして未来を担うこどもたちの教育のありかたなどを考えたときなどに、どうしても必要なことだと思っています。

スケールの大きい話ですね! でも、確かに静岡県の企業はすでに全世界で活躍していますし、ICTの急速な進展で”世界が狭くなっている”感覚があるのも事実ですね。

そうなんです。私は「政治は末来を創らないとならない」と思っていると先ほども申し上げましたが、多方面にアンテナを高くして未来のための種を蒔いておくことも大切だと思っています。今ある財産を食べつくしてしまって、未来へ借金しか残していかないという政治には、痛烈に危機感を感じていますので。

おっしゃるとおりですね。「未来への借金でなく未来への種を蒔く」とは、いい言葉ですね! こういう期待感を持たせる政治家にこそもっとがんばっていただきたいです。

ありがとうこざいま寸。持ち上げすぎです(苦笑)

政治は皮膚感覚が大切

あと多方面にアンテナを高くするとは具体的にどういうことですか?

あ、これは時代の流れをしっかりつかんでゆくために、国内外の動きを各種媒体や多方面の方々から情報取集し、時には直接現場に出かけて学ばせていただくことが大切だと思っています。

また、ありがたいことに本当に幅広いかたがたからこ交誼をいただいていて、地元・県内の財界、各種団体、労働組合のみなさまはじめ、国内外の多くのみなさまとのこ交誼のなかで、”そんなスゴイことが始まってるんだ!ぜひ県の施策にも応用できないか”とか”あれ? 空気感がなにか違うゾ。今までの常識が変わるのではないか”というような皮震感覚を研ぎ澄ましてゆくことが大切だと思っています。

なるほど。「政治は皮膚感覚」ですか。

その通りです。皮膚感覚でものことを感じていないと「手ざわり感のある政治」も「ミライヘの種まき」もできないと思いますので。

比類なき多彩な人脈を駆使

そうそう。「アンテナが高い」といえば、スゴイ人脈をお持ちとか?

すこい人脈? あ、大学時代の友達のことですか?
永田町(国会のこと)や霞が関(中央官庁のこと)、企業、マスコミ人脈は、熊谷弘先生の秘書時代に、それぞれの同世代のみなさんと「勉強会」と称して居酒屋での飲み会をよくやってましたので、そのひとたちが年齢を重ねるとともにみんな偉くなったというだけですよ(笑)

聞くところによると、現職国会議員はもとより、霞が関の各官庁の課長クラス以上に必ず仲間がいらっしゃるし、大手マスコミの役員さんや企業重役とも直接お会いしたりできるとか。そんな人脈、県議会議員のどなたも持っていないですよね。

そうですね。これはひとえに熊谷先生のおかげですので本当に感謝いたしております。自分の人脈といえば、大学時代の同級生がIBMやアマゾン、JALや商社の重役・役員になってたり、海外で起業してたりとか、わすか100人の学科でしたが今考えるとバケモノの集まりでしたね(笑)

また、JC(青年会議所)時代、日本青年会議所に出向していたときの仲間も企業経営者の集まりだったので、いつのまにか全国に仲間ができましたね。アメリカ留学時(米国ジョ—ジタウン大学)に得た知己もとても世界観を広げてくれています。そして、県議会議員をやらせていただいてのこの10年間でも県内外のさまざまなみなさまや「全国青年都道府県議会議員の会」など、すばらしい多くのみなさまのこ交誼をいただきほんとうに感謝しています。

限られた人生の時間をより濃密に

人脈で仕事の幅が広がりますね。守備範囲が広い政治の仕事にはぴったりですね。

政治の仕事にぴったりとかではなくて…(苦笑)。

そもそも一生の時間は限られていて、広い地球のコトを自分ですべてを経験したり考えたりすることは不可能に近いはすです。だったら、いろんな違う経験をされているかたや、さまざまな考え方、さまざまな地域にお住いのかたのお話をお聞きするだけでも、世界観は広がり、人生観が豊かなものになるだろう、と思っていました。なので、シンプルに友達をつくることは大好きです!

そんななかで、ひとつだけ申し上げたいのは、今みなさまからご負託をいただいている政治の仕事は、自分事だけではありませんから、全力で、もてる力も人脈もすべて投入して取り組むべき仕事だと思っています。いまおっしゃるように人脈がすごかろうがどうであろうが、”とにかくできることを全力でやる!”ということには変わりありませんので、私にかかわっていただいているすべてのみなさまに、時にはヒントをいただいたり、お力をお借りしたり、”常に教えていただく”という姿勢で頑張ってゆきたいと思っています。

なるほど、阿部さんが、まさに人生をかけて政治に取り組んでいただいているということがよくわかるお話でした。また、阿部さんの人生観も興昧深く、これからのこどもたちに必要な多様性の大切さを地で行くような教育観でもありますね。ぜひこれからも「現場からの視点」「経験と分析」「未来志向で夢をつくる政治」をしていただけることを心からお願いして、今後ますますのこ活躍をお祈りいたします。

ありがとうこざいました。あらためまして、静岡県議会譲員としてこ負託を戴いてきた10年間に心よりの御礼を申し上げますとともに、まさに今、静岡県は時代の速い流れに乗れるか否かの勝負所に来ていると思いますので、微力ながらこれからもこ負託を戴ける限り、全力で取り組んでまいりますので、引き続きのこ指導こ鞭撻をお願い申し上げます。

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