地方債について

みなさん、「地方債」というものをご存知でしょうか?
地方自治体が資金の調達のために発行する債券のことです。
この「地方債」かつては大半を政府が引く受けてきました。
いわば国が地方自治体にお金を貸していたことになります。
国の許可さえあれば起債が認められ、資金繰りの厳しい
地方自治体においては限度額いっぱいまで起債することが
あたりまえのようになっていました。
だから、といってはなんだが結構回収の見通しのつかない
債権が発行されていました。国および公庫が引き受けていた地方債総額は
かつてはなんと9兆4700億円という年もあったのです。(2003年)

その「地方債」が2006年の「地方債の発行の原則自由化」で
国および公庫の公的資金への依存度を減少させて、市場化を推し進め、
その結果、前出の2003年の公的資金による地方債引き受け額
9兆4700億円は、2007年度4兆6300億円に半減しています。

このところ、その地方債の市場での評判はすこぶる良く、
特に外資による投資が活発。これは、日本の国債よりも金利がよく、
6月に施行された「自治体財政健全化法」の影響も好印象で、
横浜市の地方債などは、当初100億円の30年債の発行を
予定したところ、引き合いが殺到し、急遽150億に増額したほどだそうです。
(ちなみに横浜市のこの地方債の購入額の45%が外国人投資家)

さて、本題はここからです。

当然ながら静岡県も地方債の発行をしているわけですが、
その内訳は、平成18年度発行総額が2379億円。
うち民間資金の構成比が98.5% 金額にして2344億円。
(市場公募債92.5% 2200億円、銀行引受債6.0% 144億円)
政府資金等が1.5% 金額にして35億円となっています。
こう見ると静岡県は公的資金による引き受け額が少ない優良県ですが
地方債においての見方はもうひとつあります。
静岡県の今年度平成19年度はどうなっているかですが、
発行総額は2444億円。
民間資金の構成比98.8% 2415億円。
(市場公募債90.0% 2200億円、銀行等引受債8.8% 215億円)
政府資金等が1.2% 29億円。
公的資金はさらに圧縮されていますが、総額が増えています。
債権は「20年債」「10年債」「5年債」などと年限債権で
これらは結局「将来への借金のツケまわし」です。
そう考えたら、いちがいに民間資金だからいくら発行しても良い
というものではなくて、「本当に必要なのか」「将来への借金」としての
精査がなされ、責任をもって発行しているかが重要になります。
まさに、これが政治家の役目ですね。
公会計を考えるとき、このような切り口がこれからはとても大切だと
私は思っています。

政令市浜松市も今年の11月には地方債の発行を予定しているそうです。
さてさて、しっかりとこちらも注目してゆきたいと思います。

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