イランとサウジアラビアが険悪だ。
この対立は、元々イスラム教のなかの多数派である「スンニ派(約9割)」と
少数派「シーア派(約1割)」の宗教対立に端を発している。
イスラム圏各国ではスンニ派が多数を占めるが、
イランは指導層以下シーア派が多数を占め、シーア派の象徴的な拠点だ。
沈静化していた対立が今回先鋭化したのは、
サウジアラビアにおけるシーア派指導者の処刑だ。
サウジアラビアは国王がかわり、より強硬な姿勢に転じたのだ。
両国は国交を断絶。スンニ派周辺諸国もイランとの国交断絶に追従し始めた。
これは国際情勢にとって、やっかいな新年の始まりとなってしまいました。
せっかくシリアを中心に活動するISの動きが弱体化してきたところであるのに、
これで各国の足並みが乱れ「隙」を与えることになるのではないか。
また、万が一イランとサウジ間で武力紛争が勃発しようものなら
石油供給は一気に不安定化し、またしても世界の経済活動に
大きくブレーキがかかります。
市場では『申酉荒れる』というそうですが
まさにそんな暗雲が漂う年の始まりとなりました。
ペルシャ湾岸情勢は直接的に日本にも響いてくることなので
今後もドバイ先物など原油動向を含めて、きちっと注視してゆかねばなりませんね。