「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の設立が話題になっています。
この構想は中国が主導する「BRICS銀行」などと並ぶ国際金融構想ですが、
日本にとっては、TPP同様またしても厳しい選択が迫られています。
TPPは対アメリカとの駆け引きですが、こちらは中国。
しかも、長年日米が主導し、日本の財務省がトップを輩出してきた
「アジア開発銀行(ADB)」と事業目的がかぶっていて、
もはや、”アジアにおける主導権争い”というパワーゲームとしか思えません。
中国は、このAIIBへの参加表明は3月いっぱいで締め切るとしてきましたが、
先日、なんとイギリスも参加表明し、G7のうち4か国(英、仏、独、)の参加で
日米は厳しい立場に立たされています。
また、関係筋から今日お聞きしたところでは、
このAIIBには、華僑勢力の協力もあり、また中東、アフリカまでをにらんだ
戦略展開、根回しが進んでいるということで、日米は完全に後手に回っている感がします。
こんな状況下で、麻生財務大臣は「参加検討」を表明しましたが、
さてどうするのでしょうか。
このままではADBが急速に存在意義を失いかねません。
まずはADBの最大貸付国である中国に対しては、
「先にお金返してからAIIBやんなさいよ」と釘をさすべきで、
でないと踏み倒され、看板も奪われるという最悪のケースも想定しなければなりません。
アメリカに対しては、これはある意味「ユダヤ資本」と「華僑資本」の対決
となるところでもあるでしょうから、明確な戦略構想もキチンと聞いておかねばなりません。
でないと、アメリカのサウジアラビアを軸とした中東戦略も、
イスラエルという、日本同様(苦笑)近隣諸国に友達の少ない国の存在もあり、
大きく狂いかねないと感じます。
日本政府の外交能力、インテリジェンスが試される時です。
答えを単純化すると、TPP同様「入るか」「入らないか」で、
つまりは「入って内部で交渉にあたる」か、「入らず外部で戦う」かです。
これ、またしても日本は本当に厳しい選択です。
他人事ではなく、よーく注視しておこうと思っています。