最初に、職員の適正配置と養成についてですが、現在県には800名ほどの非常勤・臨時職員がいらっしゃいますが、まずその配置のありかた、および処遇について知事および経営管理部長にお伺いいたします。
6月1日現在の非常勤職員642人のうち、最大は健康福祉部の174名です。その配置のうち、専門性や継続性を必要とする「母子自立支援員」「児童虐待等対応協力員」「児童心理ケア員」「DV被害者心理ケア員」「ファミリーソーシャルワーカー」などの、いわば、はからずも弱い立場に追い込まれ必死の思いで相談にいらしている県民のみなさまに対するフロント業務や、こころのケアを担当する業務、身体の安全を保全する業務などと、とても大切な業務を受け持つかたがたが数多く非常勤職員でいらっしゃいます。
現場も見に行かせていただきましたが、このかたがたは基本的に正職員とペアで業務にあたっているとのことでしたが、完全にはペアを組めるほどの人員配置ではありません。ただし、これら相談業務にあたる非常勤職員のみなさまは、各種資格や研修を受けられ、また経験と蓄積をお持ちで、一般的な人事異動でこられる経験のない正規職員に逆に指導をされることもあるそうです。ゆえに業務に支障はないものと認識はしておりますが、であればこれら専門性をお持ちのかたがたが、継続して仕事を続けていただけることが県民の安心安全に直結すると考えます。
現在、これら専門性を持つ非常勤職員のみなさまは、ガイドラインに沿っておおむね3年まで雇用が継続されていますが、その後はお辞めいただかなければならない場合もあります。これでは大切な経験や蓄積、なにより相談者のみなさまのこころのよりどころがある日突然失われてしまう事態が想定されます。これはいかがなものでしょうか。
そこで、福祉現場に限らず、県の各部署で専門性を持つ非正規職員のみなさまに、正職員になっていただく道を広く開くことを確立できないか、ご所見をお伺いします。
答弁者 経営管理部長
・職員の配置については、関係法令や国の補助要綱等を踏まえ、業務内容、頻度、必要な専門性等を考慮して配置。
・非常勤職員を正規採用するためには人事委員会の実施する選考または競争試験が必要。
ゆえに勤務実績のみでの採用は困難。
・しかしながら、ご指摘の通り非常勤職員の担っている業務の中には、県民の命と暮らしを守るために大切な業務も数多く含まれるため、今後継続的な任用について柔軟な取り扱いができるよう努めます。
・また、福祉系の現場について特にとのことだが、地方公務員法のハードルは高いが、現場の強い熱意と、現状を踏まえてこのようなカタチでやるべきだ、というきちんとした設計をもらえれば、しっかり受け止めてできるだけのことはしたいと思っています。
(2)専門性をもった職員の養成と配置
次に、先日の中野議員の本会議質問でもありましたが、正規職員のみなさまにおいては、総合職と専門職の選択をもっと細部にできるようにし、福祉現場やその他の専門性をもとめられる職場でスペシャリストとして生きていただくことが、サービスの質の高度化や安定性を高めることにつながると考えます。また、自己選択をすることで、より使命感をもって、心のこもった、血の通った、静岡県民のみなさまのための業務が展開できるのではないでしょうか。
また、現在非常勤で対応している部署でも、正規職員を配置すれば、相談窓口の時間延長や業務量による調整など、現場本位の柔軟な対応が可能になると考えます。
専門性をもった職員の養成と特に配置のありかたについて、ご所見をお伺いします。
答弁者 経営管理部長
・福祉・法務など特定な分野で専門的な知識を高め、将来はその分野のスペシャリストとして活躍したい意欲のある職員については、「専門コース別」公募制度を実施します。
・また、一般行政事務従事者が、希望によりスペシャリストとしてのキャリアを選択することを可能とした職種変更制度を活用し意欲ある職員を専門性の求められる職種に配置するように配慮。
・また、福祉や研究部門においては、専門知識や経験を備えた者の採用もおこなっている。
・また配置についても、業務上の専門性の向上のため通常の移動年限を越えて長期間にわたる配置にも努めています。