(2)浜名湖観光プロジェクト
【質問要旨】
富士山の世界遺産登録によって国内外から多くの観光客が
富士山めざして静岡県に訪れることが予想されます。
そこで、富士山周辺だけではなく、県西部における
「観光の核づくり」が急務であると考えます。
具体的には、東名浜名湖SAに桟橋を建設し、
現在運行中の浜名湖観光船を就航させ、「船で入る」という
浜名湖への新しい入り口、観光ルートをつくることや、
浜名湖花博10周年事業にリンクして既存の観光資源をアピールするなど、
「浜名湖観光資源」を官民一体となってセールス展開することは
より現実的なことだと考えます。
これらの提案を踏まえ、今後、富士山の世界文化遺産登録を前に、
県としてどのように「浜名湖の観光プロジェクト」を考え、関与し、
推進するのか、所見を伺います。
【知事答弁】
浜名湖観光プロジェクトについてですが、、
まず富士山に関しましては、私は文化芸術大学の学長の時に
学術委員会の委員長になりまして、これが9ヶ月後には世界文化遺産に
登録することになる運びになったとういうことで、
これは最後の仕上げをしっかりしていくということでございます。
続いて、その南にございます伊豆半島は今回、日本ジオパークに認定され、
3年後の世界ジオパークを目指すということでございます。
そして、中部地域におきましては、南アルプスをエコパークにしていく
という方向をこれから目指してまいります。
そして西部、これは浜名湖を中心としておりまして、
浜名湖は東海道のオアシスというようにとらえております。
これらはいずれも地球の造山活動、あるいは火山活動、
そうしたものの生み出した傑作であるというふうに存じます。
浜名湖の場合も、もともとは淡水湖であったわけですが、
それが室町時代の大地震によりまして、
日本一の汽水域になったということでございます。
さて、この浜名湖は、その周辺に湖北五山、豊富な食材、
天浜鉄道、たくさんの資源に恵まれております。
その中で、御提言をいただきました、
浜名湖サービスエリアの活用の仕方でございます。
浜名湖サービスエリアは東名のサービスエリアでございます。
新東名のSA、PAは大変な人気を誇っておりますけれども、
翻って、東名を下りますれば、富士川楽座を別にしますと、
やや閑散としている感がございます。
そうした中にございまして、東名の浜名湖というのは唯一、
サービスエリアを少し下れば、そこに美しい景観が広がっていると、
浜名湖の景観が広がっている。
しかも、大変降りやすい階段も整備されております。
仮に、そこに桟橋を中日本株式会社と協力して作ることができれば、
船に乗ればわずか10分で舘山寺温泉にも行けると、
また、ロープウェイも楽しむことができるということで、
陸の移動とそういう水の楽しみというのを併せて享受できる、
極めてめずらしいところになるというふうに考えております。
河川管理者である県といたしましても、沿岸部の利用調整をはじめ、
その実現に積極的に協力してまいりたいと思っております。
また、浜名湖花博10周年という絶好の機会をとらえまして、
淡路花博を上回る形で、開催期日は70日間、同じでございますけれども、
80万人目標に、この機会に浜名湖周辺の魅力を発信いたしまして、
花の都としての静岡県のキックオフを、突破口を、
そこから作り上げたいと思っている次第でございます。
さきほど西湖(せいこ)という中国浙江省の美しい湖について
言及されました。この西湖と並び称しうるという確信が
少しずつ地域の人々、また関係者の間に広まっております。
ご案内のように、中国には洞庭湖という美しい湖がございまして、
そこで瀟湘八景という名所がございます。
それに引っ掛けまして、日本には滋賀県に近江八景というのが作られました。
落雁とか、三井晩鐘だとか、そういう名所を楽しむものは
瀟湘八景によっております。
そこで、その瀟湘八景のございます洞庭湖の南に湖南省というのが
ございまして、そこと滋賀県とがその八景を縁にして、
姉妹提携30周年を今、迎えつつあるわけです。
我々の方は浙江省と今年30周年を迎えております。
こちらは、近江に対して、遠江と言われてきた。
近江八景があるならば、遠江八景があっていいと思っています。
そしてまた、西湖は十景を今、決めております。
これも瀟湘八景を発展的に継承したものです。
我々は浜名湖十景を改めて作り上げてもいいでしょう。
そして、西湖は洞庭湖とは違って世界文化遺産ですから、
それに勝るとも劣らない浜名湖は私は世界文化遺産になりうると、
いうふうに考えております。
それだけではありません。
遠州は浜名湖だけに特徴づけられるのではなくて、
名前もすばらしい天竜川、あるいは森町を貫通する太田川、
まさに遠州は水の都と言っていいと存じます。
そうしたアイデンティティーをしっかり作り上げることを通して、
この遠州浜名湖の魅力を世界に発信していくということが
できるのではないかというふうに考えております。