静岡県の情報戦略について
(1)CIO(情報化統括責任者)制度の機能
【質問要旨】
近年の急速なICT(情報通信技術)の発達で、現代社会は益々
「情報を制するものが勝利する」時代となった。
行政においても、情報を制する自治体が厳しい地域間競争を
勝つことができると考える。
静岡県も情報化施策がCIOに統括されて、
約半年が経過しようとしているが、改めて「情報」の重要性についての
認識及び今後の情報戦略についてCIOに伺う。
また、本年度からCIOの下に、
情報化および情報収集・分析・発信を支援する外部専門家として
CIOアドバイザーが新設導入された。
コスト削減等の効果は今後現れるものと期待しているが、
CIOアドバイザーの活動状況と今後の活用方針について伺う。
【大須賀副知事答弁】
行政運営を行う上で、情報通信技術を活用した情報の収集と発信は
必要不可欠なものでありまして、CIOといたしまして、
その戦略的な利活用は、ますます重要になっているものと認識いたしております。
本県では、早くから1人1台のパソコン導入を実現し、
これを使用して各部局の取組や地域情報などの共有化を図りますとともに、
ホームページ等を活用し、インターネット上で県政情報を迅速かつ
効果的に発信するよう努めております。
また、フェイスブックやスマートフォンなど、
新しい情報技術の利用方法や機器も開発されてきておりますので、
その活用を高度情報化基本計画に位置付けまして、
導入を図っているところでございます。
今後とも、CIO制度の機能を十分に活用し、
日進月歩の情報通信技術を効果的に使いながら、
情報の収集と発信に努めてまいります。
次に、CIOアドバイザーの活動状況についてでありますが、
これまで、最新技術動向に基づいたアドバイスをはじめ、
情報システムの調達仕様の分析や、発注方法などにつきまして、
技術的な面から様々な助言をいただいております。
現在、行政運営の更なる効率化やコストの削減のために、
財務会計システムや人事給与システムなど、県で運用している
数多くのシステムについて、その集約化と最適化が喫緊の課題に
なっておりますことから、今後は、CIOアドバイザーの力を借りながら、
これらの課題に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
【再質問要旨】
CIOアドバイザーが情報システムの集約化に
取り組むということであったが、もっと外向きに情報収集や
人材育成をしてもらわなければいけないと考える。
どのように考えているのか。
サイバーテロ対策は、今、大変重要である。
本県では、どのような対策をとっているのか伺う。
また、危機管理の観点から、GIS統合基本計画が
どこまで進んでいるのか伺う。
【大須賀副知事答弁】
再質問についてのうち、
CIOは外向きの情報収集に努めるべきではないか
ということにつきましてお答えいたします。
CIO制度は、今年の4月からスタートいたしました。
現在は、アドバイザーの助言を得ながら、
まずは、最も取り組みやすいところから、
効果の出やすいところからということで、
県庁の内部システムの改善でありますとか、
あるいは発注方法の改善、こうしたことに、
まずは手をつけたところでございます。
ツイッターでありますとか、フェイスブック、
それからスマートフォン等々、次々と世の中に登場
してきたように、情報通信技術の発展というのは、
まさに日進月歩であると考えております。
こうした技術に遅れることなく、本県にも取り入れまして、
必要な情報の収集と発信をタイムリーかつ適切に行っていくことも、
CIOである私の重要な責務であると考えております。
これを実現するためには、最新の情報通信技術を
十分身につけた人材の育成ということが非常に重要であると
考えておりますので、そうした人材の養成も含めて、
県の情報戦略をこれから十分考えてまいりたいと思います。
【伊藤県理事(政策企画担当)答弁】
CIOに関する御質問についてのうち、
サイバーテロ、それからGISについてお答えいたします。
まずは、サイバーテロ対策でございますが、
まず、攻撃の糸口を与えない、そして、攻撃を受けないことが
大切になってまいります。
そうしたことから、不正アクセスの排除や、
不正侵入の防止、また、ウイルス対策ソフトを使った感染の防止など、
技術的な対策を採っております。
それから、重要情報を大量に管理する、
例えば県税等のシステムもございます。
こういったシステムに関して、万一にも情報が外に漏れないよう、
庁内ネットワークが外部とつながっているところもございますので、
そういったところに不正に接続しないように防止しております。
また、県のホームページにつきましても、
更新作業ができるパソコンを制限するなどの取り扱いの徹底を
図っているところでございます。
加えまして、万一、県のホームページが攻撃を受けましても、
早期に復旧できるよう、データのバックアップを3重に取るなどの
対策も講じているところでございます。
加えまして、何よりも、情報を扱う職員の意識徹底が
大切になっておりますので、静岡県情報セキュリティーポリシーも
定めまして、庁内体制として、また、扱う職員個人として
取るべき対応を示しまして、徹底を図るとともに、
ウイルス情報などにつきましては、随時、SDO等を使った
情報発信により注意喚起し、危機管理意識の徹底を図っております。
なお、本年7月には、県のホームページ関係のサーバーに、
大量に不正なデータが送り込まれる攻撃がございました。
サーバに対する不正な命令を無効化する対策を採っておりましたため、
メール等に一部遅延が出ましたが、
システムの障害や情報の改ざん・漏洩などの
重大な被害は発生しておりません。
今後も、徹底したサイバーテロ対策に努めてまいります。
それから、GIS(地理情報システム)の統合についての
再質問でございますが、平成19年度に統合を検討しまして、
当時、12の庁内業務にかかる地理情報システムがございました。
これまで、7つのシステムを統合してまいりまして、
現在、土砂災害情報マップの統合を進めております。
残る4システムにつきましても、更新時期に合わせまして、
計画的に統合を進めてまいります。