世界の農地争奪戦

7月8日よりのイタリアで開催されるサミット
(ラクイラ・サミット)で、発展途上国などで
中国やサウジアラビアなどが農地を大規模に買い上げている、
いわば”買い漁っている”現状にブレーキをかけるために、
『途上国の農地取得について国際ルールを策定する見通し』
とのニュースが流れました。

世界人口の増大とはうらはらに、昨今の世界的な異常気象や、
エネルギー危機の影響からバイオエタノールの生産が進み、
その原料として食物であるはずのとうもろこしや
さとうきびが使われ、他の穀物生産にしわ寄せがきてしまう
というのが世界農業を取り巻く現状です。

そこで、先進諸国は「食料安全保障」の名の下に、
各国が途上国の農地を買い漁り、またはリースして
自国向けの食料を生産して輸入する、
というように、途上国の農地を”半植民地化”
しているという現状があります。
この”現代版プランテーション”に歯止めをかけようとするのが、
来週のサミットでの議論になるのでしょうが、
さて、これで世界の「食と農」を取り巻く問題が解決に向かうとは
まったく思えません。

例えば「食料自給率」という基準はカロリーベースの考えかたで、
現在の日本の農業では、採算性の高い野菜などが主体になりがちですが
野菜はカロリーが低いので、「食料自給率」へ換算値が低く
どうしても食料自給率は低くなりがちです。
カロリーが高い穀物のうち、小麦などはあまり日本での生産には向かず、
この「食料自給率」だけを念頭においた考え方には私は反対です。

さて、農業のことを論じだすとキリがなくなりそうですので、
今日はトピックスとして”サミットでの注目課題”ということだけ
お知らせしておこうと思います。

「食と農の改革」これは差し迫った問題であり、
大切な政治課題でもあるんです。ぜひ、現在行なわれている
静岡県知事選挙はもとより、すぐにあるであろう衆議院選挙に
おいても、しっかり候補者が意識と理解、そして課題解決策を
考えているのか否か、よーく見極めていただきたいと
みなさまにはお願いいたしたいと思います。

私も、農業者のみなさんとさまざまな議論をしながら
少しづつ答えを見つけつつあると思いますが、
この多様多彩な農業だけに、”オールクリア”と
至っていないのが現状です。
「食」はくらしの原点のひとつだけに、今後もしっかりと
取り組んでまいります。

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